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逃げ回る手首
先生の手首を捕まえる。
それだけを 欲する。
頭には 手首。
ただ手首。
眼前に手首が有る。
夢中で 手首を追いかける。
そして 転がる。
ころころ 転がる。
一回目より二回目
二回目より三回目
どんどん簡便に転がる。
接触と非接触の合間を 往き来する。
捕まえた手首が 半端に外れても
※投げの最中に。 投げの導入で。
流れで 転がる。
※反射が形成されており 勢いナダレコム。
条件付けは二回目の投げで成された。
一回で軽く。
二回でますます。
三回からは 指揮すれば 転がる。
手首を見つめる眼球が 転がす。
自身を。
手首を追いかける事が全て。
転がるのは ふわふわとして 楽しい。
一人で転がっても こうは いかない。
手首が無いから。
追いかけるべき手首が。




