家鳴りが ぱきり。
空調を 効かせ さて 寝るか。
暗がりで ぱきり。
不規則に ぱきり。
眠く そろそろ かな
と ぱきぱき ぱきり。
ぱきぱき ぱきぱき 煩いな。
いつもは こんなに 鳴らないのに。
七月下旬の ほどほどの 暑さの夜。
空調が働き
風がそよそよ
室内を 吹き抜ける。
眠くなると ぱきり。
実に ぱきり。
忌々しい。
安眠を妨害する 家鳴り。
眠い 眠いと
横になり
家鳴りに 悩まされる。
悩まされながら 眠りに着く。
僕は眠るんだ。
何があっても。
悪夢は 見ただろうか。
アリキタリナ 暗がりに浮かぶ。
悪趣味な 演劇を。
その日だったか どうか。
悪夢なら ヨク 脳裏に貼り付く。
夢占いは どうも 僕では 発想の元には ならなそうだ。
ありきたりな 人間の交わり や ネコ。
疲れて座る人が いるばかり。
※後背位で 交わる男女。
見つめ合いながら。
女性の首は ヨクねじれ 男性と向かい合う。
両の目で
どこかを 見ている。
女性の口には 筒が付けられ 男性の口元へ伸びている。
男性にも 同じように 接着されている。
二酸化炭素を共有したいのだろう。
しかし 精気の無い。
男性は 中年か もはや 老年。
よく肥えて 弛み シミが目立つ。
女性は 身体の線こそヨイが イカンセン 肌に張りが無い。
毛穴まで 確認でき 無駄に精巧だ。
思い出した。
老年には。
前も見たな。
暗がりの 小さな灯りの 下での夢で。
ぐったりとと 座り込み 蝿がタカって ウジガ 涌いていた。
そつくりだ。
家を出ると黒猫が カッと こちらを見る。
真正面から 黄色い 目で。
知らない黒猫だ。




