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善意を 当てに するのは 詐欺師か困窮者か。
よほど カモか それとも 困って 見えるのか。
ウマイ話を 持ってこようとする 婆さん。
嘘つき霊媒の 婆さんに そんなムシノいい話が
転がり込んで 来るわけ ないのにさ。
何度か有ったよ。
今までも。
これで 良くなると。
変わるんだ と。
いい話を持ってきた ってさ。
みんな お流れ 無かった事に。
霊媒が みんな そうなのかは 分からんが
即応過ぎる。
ザリガニかブルーギルだ。
今時は 魚でも もうちょっと 反応が 渋いのに。
幸せになって当然 みたいな 感覚を
持ち続けられる 四半世紀の間。
頭が白髪まるけで 禿げて きても。
虫ジミタ感性。
お定まり の 展開。
目前に ぶら下げられ 飛び付き 釣り上げられる。
僕は 鈍かったから 飛び付く前に
さっさと 餌を引き上げられて コトナキを得た。
突如 降ってわいた 幸運。
恐る恐る 手を伸ばす その頃には 既に 遠い。
伸ばされた手だ。
自分の。
それだけが 視界の端にチラツク。
他人の手の様に 感じ 怖じ気付く。
一瞬の後 自分の手だと
馬鹿馬鹿しくなる。
手を降ろし。
何もなか無かったった。




