ヨタ9
あ
何故
ありがたい話を 聞きに行ったら。
説教をするはめになるのか。
聞きたいのに 話すはめになる。
ばばぁ が修行したい と言い出す。
家の掃除をしろよ。まずは。
修行とかしてないで。
ごちゃごちゃしすぎだ。
力が有れば 安心出来るだの。
いま 辛い事が楽になるだの。
重いモノを 軽々持てる。
もっと重いモノを 必死に 上げ下げしているから。
もっと辛い事を がんがん やっている。
その人は。
食事も そのために 徹底している。
重いモノを 持ち上げる。
ベルトを巻く。
整える。
引っ掛ける。
ぎゃひゃぁあ。
立ち上がる。
眼を剥き 抜けていく感覚に 耐える。
チカチカと 火花が 視界に出る。
手前から奥に ふわぁ。
光の粒が 拡散する。
上げ下げして しばらくは感覚が馬鹿になる。
軽く腰を掻く。
がりり 痛い。
思ったより 力が出すぎる 強すぎる。
風呂場の蛇口に引っ掛けた位 痛かった。
この様に 力は 日常においては危険。
力は 感覚を 引きずる。
引きずられた感覚は 自身を 傷つける。
気楽に。
お手軽。
激痛だ。
力は 持っていれば 安心ではない。
ばばぁは。
一つ言うと 十倍 返る。
納得した。
寝て起きたら忘れるだろう。
どれだけ言っても。
結局 やるだろう。
この十年の様に。
苦しい 苦しい 穴蔵。
飛び込むだろう。
希望を探して。




