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あ
同車両に 乗り合わせた。
家族 学校 職場 道場
所属した あらゆる 集団。
たまたま 同じ車両に 乗った人々。
その程度の 帰属意識しか 結局は 持てなかった。
憧れは 個人への 思い 。
集団への ものでは なかった。
どこに帰属しているのか。
所属は。
そもそも 何なのか。
そこが どうでもよいなら
根無しの 浮浪。
ふらついて 何もない。
痛みを含む。
口腔に潜む 痛み。
空気の 小塊に
何やら託す。
口腔に 含むもの 有り。
舌から空気の塊に。
抱え込む 空塊に。
何が出来るか。
内圧を。
口腔内の内圧を。
押さえ込む
唇。
張り詰める
頬。
僅かな
話。




