結構出来てきたよ!
「おい、最近ミリア王国にダンジョンが出来たらしいぞ」
「なに!ならさっさと行くか!」
「新しい魔王の出現か...」
「しかもここミリア王国でかよ」
「王国は今、王族やら貴族やらが分裂を始めてるってのに」
「ダンジョンかぁ...」
「まだ出来たてって言うしわんちゃんあるぞ?」
「よし、いっちょ行くかぁ!」
「バカだなぁ、ここまで情報が来てんだ」
「ダンジョンはとっくにコアを取られた後か、地獄かのどちらかだっての」
○
あれから1週間が経った。俺のダンジョンは現在10階層まで出来ました。ひとまずはここまでで、後はDPを荒稼ぎする。10層を家にして、ほとんどのやつを1層で殺す。2層へ続く階段の前にはDPを100も費やして召喚したミノタウルスがいる。実はこいつAランク冒険者のパーティが相手をするほどのやつらしい。そして1層の中間には天井が落ちて来るトラップがある。しばらくはこれでDPを稼げるだろう。
○
さらに1週間が経った。この頃になるとDPも溜まってきたので一気に増築しようと思う。ちなみにこのダンジョンは地下へ派生していくタイプだ。
俺は建築士だった。何か役立つと思ったんだが、ここは異世界でしかもとんでもダンジョン。厨二風な思考の方が良いか...
まずは100階層まで拡張だ。100層に俺の家を。その後にミノタウルスを5層へ移動。1〜4層は基本的にはトラップがメインだ。魔物は消耗品だからだ。もちろ落とし穴や槍が出てくる壁など。まぁこのくらいなら半分くらいの者は突破出来るだろう。そして5層はミノタウルスがいるボス部屋。そして6層からトラップがメインなのだが、ちょいちょい魔物を出していく。ゴブリンやオーク、ブラックウルフなどの集団で行動する魔物だ。10層にはベヒーモス3体を配置した。さらに地面を泥状にして速さを殺す設計なので、力が強いベヒーモス有利となる。11層から15層は真っ暗な道が続く。14層までは暗闇でも行動出来るコウモリ系の魔物や昆虫類だ。15層はボス部屋ではなく壁伝いでは絶対に迷う使用だ。さらにコウモリ系の魔物も巡回している。そして19層までは腰くらいまで水に浸っていて、水中の魔物がいる設計だ。20層にはスライムを配置する。実はスライムってめっちゃ強い。なんせ物理が効かない、なんでも消化する、なんでも食べるだ。これはやばい。さらに10分以上いれば水が天井まで流れ込む予定だ。24層までは分かれ道を沢山作りなおかつ床を踏むと発動するトラップの類いを仕掛けた。さらに至る所に火を炊き酸欠を誘発させる。
と、まぁ一旦こんなもんだな!ふぅ、一仕事した後は眠いな。
○
さらに1週間後。既に100人近くお亡くなりになっている。ほとんどの人がミノちゃんで詰んでいる。何人かは抜けれるんだが、10層で詰む。
ヴゥーヴゥーヴゥー
警報だ。ある一定以上の実力者が侵入してくると発動する。
「魔王よ!聞こえているか?私はマレット・ブラウンだ。ミリア王国侯爵位ブラウン家の長男である。何故悪逆非道な行いをするのか!?ここはひとつ、話し合いの場を設けて貰いたい!」
うーん、話し合いねぇ...はい行きますってバカにしか思えないんだよねぇ。よし、遊んでやるか!実はスピーカー機能も買ったんだ
「マレット殿、わざわざのお越し感謝する。だが話し合いの途中で斬りかかられたら嫌だ。よって誠意を見せてもらう!」
「誠意だと?」
「そうだ、これから貴殿を幾つかの階層へ案内する。そこを突破して貰う。もちろんリタイアしてくれても構わない。その場合はお引き取り願う」
「なるほど!さっそくやろう!」
...バカなのかこいつは?敵の誘いに簡単に乗るなよ。まぁ俺も害する聞こえてはないが...
○マレット視点
私はこの国の騎士団長だ。リエル帝国の脅威を除けばいたって通常通りなのだが最近ダンジョンが出来たらしい。もう100人以上犠牲になっているらしい。魔王め!私が止めなければ!
ダンジョンへ来たのだがまずは呼びかけて見よう。無視されたら乗り込めば良いだけだ。
「魔王よ!聞こえているか?私はマレット・ブラウンだ。ミリア王国侯爵位ブラウン家の長男である。何故悪逆非道な行いをするのか!?ここはひとつ、話し合いの場を設けて貰いたい!」
あくまでも目的は魔王を止めることだ。殺す必要はない。過去にも魔王と仲良くしてた国は幾つもある。
「マレット殿、わざわざのお越し感謝する。だが話し合いの途中で斬りかかられたら嫌だ。よって誠意を見せてもらう!」
「誠意だと?」
「そうだ、これから貴殿を幾つかの階層へ案内する。そこを突破して貰う。もちろんリタイアしてくれても構わない。その場合はお引き取り願う」
「なるほど!さっそくやろう!」
「くっ!なんだこれは!?」
私はゴブリンに囲まれていた。いや、囲まれるだけなら良いのだ。所詮はゴブリン。だが平面だけではなく、天井からも降ってくるのだ!やっとの思いで抜けると次は真っ暗な道だ。視界はもちろ意味を成さずに壁伝いに進むしかない。魔物とは合わないが...長い!まるでぐるぐると回っているような...
「回ってって...まさか!?本当に回っているのか!?」
反対側の壁を伝って行くと階段にたどり着いた。また転移させられ、次の瞬間には水の中だ。腰まで水に浸かっているので非常に移動しにくい!やっとの思いで抜けたて、またもや転移させられた先には坂があった。だがぬるぬるな何かが上から流れてきており、何度も滑り落ちてしまう。
「ぶっ、ぶははははははは!」
「お、お前は!魔王か!?」
「はははは、ひぃお腹痛い。そういかにも私が魔王である。貴様の無様な姿を眺めるのは楽しい時間だったぞ?」
ぐっ、抑えろ俺!
「話し合いをしたい」
「ほぉ...良いだろう。俺の家へ案内する」
転移先には私の理解出来ない建物があった。材質かれして分からない。なんだあの光る物は!?松明じゃないな...とにかくわからん!
「さぁどうぞここで待っててくれ、お茶を入れてくる」
「あ、ああ」
圧巻。まさに圧巻。薄い板からは映像と音声が流れて、さらに貴族が座るようなふかふかのソファ。さらに出されたお茶、う、苦い。これは紅茶じゃないのか?
○
ほぅ...なかなかやるなwww一応1分無敵バリアを買っとくか。
会いに行ったが敵意はなかった。と思う。すごい睨まれたが。家に案内して緑茶を出す。現代日本の家つまりは技術力の差を見せつける事により話し合いはこちらが有利。交渉とは始まる前に終わっているのだよ。
*ミリア王国の場所を示した地図です
どうも!
前半はダンジョン構成、後半は新キャラ登場です。なんか説明ばっかになっちゃった...