表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白灰童話  作者: 七罪愛
3/25

白色赤頭巾――狼三匹

「ちょっとそこの君。初めまして、ボクと秘密組織 を始めないかい?」


「お断りします」


白い少女とそんな話をした。


ーーーーーーーーーーーーーーー


結果から言おう。結局逃げられた。

一応会話の一部始終としては


「なんで!?かっこよくない?秘密組織とかかっこよくない?」

「ないない!いろいろない!!」

「こう、スパイ的な何かだよ?」

「そんなの現実でやる人いないよ……」


「なら、取り敢えずその髪を触らせてくれないかな……ハァハァ」

「何か危ない人だ!?」


「ところでお嬢さん。赤頭巾知ってる?赤頭巾」

「それは、突然過ぎるんじゃないかな!?」


これらの会話から一つボクが理解した事は、クールな容姿から考えられない程彼女はよく喋った。

しかも案外大きな声も出すし、話すと表情もコロコロ変わる。

だがしかし

「取り敢えず大事な話だけでも……」

と切り出した辺りで逃げられてしまった。

白い世界に消えていく彼女は、あっと言う間に見えなくなって追いかける事は出来無かった。


結局名前も聞きそびれてしまったし、今のボクの顔は昼間に叩き起された吸血鬼……というよりかは、覇気を感じられない程飢えた狼のような顔だろう。

「ううむ、何かを間違えただろうか。さっぱり理解出来ない……」

真剣な表情で悩んでみるが、我ながら冴えない顔だと思う。自分じゃ見えないけど。

まあ、今更考えても仕方が無いこと。

そう思い歩いてゆく。


ちなみに秘密組織は嘘や冗談ではなかったりする。

既にボクは秘密組織っぽいものに所属し、仲間になってくれる人を集めていたのも事実だ。

ボクのような人間を救う、そんな目的をもつ組織。

勿論入るのには条件があるから、そう簡単には入る事は出来ない。

なら何故彼女を誘ったのかというと、ボクの独断。好みだからに決まっている。

そして詳しいところはまだ謎にしてたいな。とか巫山戯たところまで考えて数分、信じられない光景を目撃する。

そこには白い髪の女性が居たのだ。

一日に二回連続で?でも今回は知らない女性(あの白髪ちゃんが知ってるに入るかは分からないが)である。

話しかけてみたいが、流石に出そうとした言葉を我慢

「すみません、そこのお姉さん」

出来ずに爽やかだけど、素が残念な酷い笑顔を浮かべる。

ちなみにけしてブサイクではない……と思う。

「あらあら、お姉さんなんてお上手ねぇ」

そう言いながらクスクスと笑うお姉さん。

あれ、案外好印象?成功するとは思わず拍子抜けするボク。


「ふふふっ、それで貴方が『悪戯灰かぶり』でいいのかしら?」


その言葉に流石に驚くボク。だが動揺せずに

「その呼び名……お金ですか地位ですか?それともボクですか?」

「……何のことでしょうかぁ?」

キョトンとしそう聞く女性。それにボクは不敵に笑い


「つまりボクが聞きたいのは……何がもくてしですか……?」噛んだ。


続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ