始まりのたび
では始めさせていただきます。
異世界フィーラスリア
この世界には人間や獣人、エルフや妖精といったさまざまな種族がいた。
そしてこの物語はその世界のなかである一つのパーティが世界を揺るがす物語・・・・
カルダリア国のある山の街道で5人のメンバーが首都レッカを目指し旅をしていた。
「あ~~~~!!!疲れたよ~~。まだ村は見えてこないの??」
と軽装で剣を腰に二本さした少女が叫んだ。
「もう少しだ。もう少し歩けば見えてくるはずだ・・・」
と逞しい体格をしたおそらく最年長であろう男が言った。
「本当ですよね?さっきからそればかり・・・もしこれで間違ってたら・・・許さないですよ?」
と白い服に所々に青い刺繍が入った美女が言った。
「し・・・しょうがねえだろ!!!地図が古いんだからよ!!間違えて買ってきたセルに言えよ!」
と言うと
「悪・・い・・・・」と全身黒尽くめの青年がすまなさそうな顔をして(まるで犬の尻尾や耳がシュンとたれたように)全身を縮めた。
「う・・・そそれは・・・まあ・・・しょうがねえよな・・・」
と男は目を反らしながら言った。この青年に弱いのだ。犬に見えて。
「そうです。セルのせいじゃないです。その馬鹿のせいですから。気にすることないですよ。」
とその柔らかな笑顔を青年にそして男には鋭い眼差しを向けながら言った。
「どうでもいいが・・・・まだ見えないのか?わらわは疲れたんじゃが。こんな小さな子にいつまで
歩かせる気じゃ?」
と年齢に似つかわぬ言葉使いで少女は言った。
「そうだよ!!こんなうら若き美少女達に過酷な旅は大反対だよ!」
と軽装の少女は駄々をこねるように両手を振り回した。
「うるさいぞ・・・・ならここで別れても良いんだ。勝手についてきたのはお前さんだろう」
と男は言うと
「ひどいよ~~そんなの~~鬼だ~~悪魔だ~~~」
と更に両手を振り回しながら男に舌をだした。
「このどチビが・・・!!」
と年甲斐も無く真っ向から対峙する。
「五月蝿いのう。もう少し静かにできんのか。まったく今時の若者は・・・」
とこれみよがしにため息をついた。
「安心してください。私が今から静かにさせます。二度と騒げないように・・・」
と柔らかい笑顔には相応しくない言葉を告げた。その片手には炎の球体が浮かんでいた。
それを見た二人はそろって土下座をし
「「すいませんでした~~~~!!!」」
と頭を下げた。
「これからは気をつけなさい??次は警告なし・・・ですよ??」
と炎をけしながら言った。
二人は揃って頭を縦に振った。
「あ・・・・」
と今まで静かにしていた青年が声を上げると
「どうしたんじゃ?」
と少女が問うと
「村・・・が見えた・・・・」
とその方向に指を向けた。
確かにその方向には看板がありその奥には小さいが家が見えた。
すると
「やった!!早く行こうよ!!」
と軽装の少女は男の腕を掴んで走り出した。
「こら!!待て!!おいっ!・・・しょうがね~~な」
と腕を掴まれた男は引き摺られながら抗議し、あきらめた風に走っていった。
「自分も嬉しいくせに・・・・しょうがない大人ですね。」
「あやつらは一体どこからあの元気がでてくるのか・・・・」
「二人・・・共・・うれし・・・そう・・・。よかった・・・・」
と三者三様の反応で続いた。
読んで頂いて有難うございます。
まだ名前も出ていない主役達ですがこのメンバーを中心とした物語を
楽しんでもらえたら・・・と思います。




