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ロリータ縛りでも余裕だし?  作者: ペンギンの爪


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「リス?」


斑草を探し求めて森を歩いていたウィンの目の前にけがをしたリスが表れた。道端に倒れこんでいるリスにウィンは駆け寄ってしゃがみ込む。


「怪我してる。敵対モブじゃなさそうだし、どうしよう」


「もらったHPポーションをここで使うべきなのか」


おろおろとしながらウィンはインベントリからHPポーションを取り出して栓を開けた。

ほんの少しずつリスにポーションを飲ませると、みるみるとリスの怪我が治ってゆく。


「よかった、治ってくれた。小さき小動物かわいすぎる」


指先ですりすりとリスの頭をなでた後、そっと持ち上げてモンスターに見つからないように木のそばの草陰にリスを隠した。


「何でこんなところにいたんだろうな、やっぱストーリーに関係するのか?なんかの分岐だったり?」


「まあいいか、斑草を探さないと」


ウィンはそういって立ち上がりけもの道を歩き始めた。


「リスなんてテレビでしか見たことなかったな。実物はあんな感じなのかな」


手でリスを包んだ感触を思い出しながらウィンはつぶやく。あのリスを連れて行った場合はどうなるんだろう?とウィンが考えていると、道が開けて、巨大な木がある木漏れ日の差す場所に出た。


「あれじゃね?斑草」


ウィンは木陰に生えている草の中でひときわ背の高く育っている草を見つける。


「よしこれで目的のものは全部取り終わったな。依頼主に納品しに行こう」




ウィンはこんこんとノックをして雑貨屋の中に入る。するとディディが「おかえりなさい!」とうれしそうな声をあげてウィンに駆け寄ってきた。


「エピ草と斑草はありましたか?」


「とってきたよ、ほら」


ウィンはディディの言葉にうなずきながら、インベントリからエピ草と斑草を取り出してテーブルに置く。


「間違いなくエピ草と斑草です!ありがとうございます。お姉さん!」


ディディが満面の笑みでウィンに感謝を告げる。しかしウィンはディディの言った言葉に頬をひきつらせた。


「お姉さん?」


「すごくきれいな服ですよね、お貴族様の様に見えます!」


「えっと、ありがとうね。この服は俺の召喚獣が作ってくれたんだ」


「素晴らしい腕をお持ちですね、うらやましいです。あ、依頼の報酬を払わなくちゃいけないですよね」


そういってディディは店の奥に消えていった。ウィンは自分が女の人だと思われていたという衝撃に呆然と立ち尽くしていた。


「そうだった、俺見た目だけだったらお嬢様だったな」


今の自分の姿を思い出しうなだれているウィンに戻ってきたディディが首をかしげながら「大丈夫ですか?」と声をかけた。


「うん、全然大丈夫。それで報酬は?」


「はい、これです」


渡された布袋に入っていたのは500ルチル。渡し終えてディディは申し訳なさそうに眉を下げた。


「すみません、私の貯金それだけしかなくて。そのかわり、あなたがこの店に来てくれたときにはお値引きさせていただきます」


「じゃあ、俺この布袋は返すよ。せっかくの貯金は君のお母さんの病気が治った時にカフェにでも行くためにためておきなよ」


「いいんですか!」


「うん、デルニエ喫茶のレモンティーがおいしかったよ」


ウィンが布袋に入ったお金を返しながらそう言うと、ディディは「ぜひ母の病気が治ったら行かせていただきます」感極まった表情で答えた。



ディディのいた雑貨屋を後にしたウィンはマイホームに向かった。ウィンがマイホームに入るとアイビーが先ほど買ってきた素材を手に取りながら、紙に何かを描いていた。ウィンはそれを邪魔しないようにしながらアイビーの向かい側に座ってストーリークエストの画面を開いた。


ストーリークエスト1-1 雑貨屋の娘からの依頼

クエスト報酬

でぃべろ雑貨屋で商品を購入した際の値引き 


クエスト報酬には500ルチルと書かれていたが、ウィンがディディに返したからなのか横線をひいて消されていた。その代わりにエクストラ報酬として、デルニエ喫茶に入った際にまれにディディとその母親が出現すると書かれていた。


「なるほど、本当に個人の行動によってルートが変わるんだろうな」


画面を見ながら驚いた様子でウィンがつぶやくと、アイビーが初めてウィンの存在に気が付いたように顔をあげた。


「あ、おかえりなさいませご主人様。帰っていらしたなら言ってくれればよかったのに」


「ただいま。アイビーが一生懸命だったから邪魔したくなくて。今は何をしてるの?」


ウィンがそうアイビーに聞くと、アイビーは手に持っているペンを置いて何か書かれている紙をウィンのほうへ向けた。


「これ、服のデザイン?」


「はい、前回作った時はこのようにアイデアを描きだしたりはしなかったのですが、あったほうが後々楽になるので」


「ふーん、アイビー絵がうまいね」


ウィンはアイビーが紙に書いた絵を称賛する。黒しかないペンで書かれた服の構想図は、フリルのしわまでしっかりと書き込まれていて絵心のないウィンにとっては想像もできない代物だった。

ありがとうございますと照れたように頬を染めるアイビーを軽く撫で、ウィンはストーリークエストであったことを話し始めた。


「でさ、依頼主の女の子俺のことを女の人だと勘違いしたままなんだよ。俺、そんなに声高くないはずなんだけど」


「ご主人様は落ち着いた声をしてらっしゃいますが、やはり見た目が美しいので女性と見間違ってもおかしくないですね」


「やっぱり見た目か~。せめて性別だけでも訂正出来たらな~」


「そうですね、次に行くときは僕も連れて行ってくれますか?」


アイビーはウィンを見ながらそういった。ウィンはなぜわざわざ聞くのだろうかと疑問に思いながらも、もちろんとうなずいた。


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