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「なんか、土って感じしますね。」
「ご主人様、さすがにその感想は浅すぎませんか」
「赤土が広がってるねぇ」
ウィンが階段を上がって赤茶色が広がる世界の感想をつぶやくと、アイビーからの突っ込みが入る。周りを見渡しながらそう話していると、近くの岩陰からグラムピクシーが4匹飛び出してきた。いきなり飛び出してきたグラムピクシーにルージュは後ろに飛びのきハエを追い払うようにしっしっと手を動かした。
「うわぁ!四匹も出てきた!あっち行ってよ!」
「こいつに魔法当たんねぇんだよな」
「僕が行きます!」
アイビーが手をあげてグラムピクシーへ走っていった。ウィンはグラムピクシーの攻撃がアイビーに当たらないようにMP1のマジックガードを張りながらアイビーの戦闘を見守る。
「なーんかアイビーくんグラムピクシー余裕そうだよね」
「っすね、敏捷とか器用度とか高いからですかね」
「え~うらやましいな~」
アイビーは素早く飛び回っているグラムピクシーに正確に攻撃を当てている。アイビーが2、3回グラムピクシーに攻撃を当てると、グラムピクシーのHPバーが消滅する。
「終わりました。このグラムピクシーの羽で何か作れたらいいんですけど、ご主人様はどう思います?」
「あれ?アイビー君って生産スキル持ってるの?」
ウィンはアイビーが差しだしてきたグラムピクシーのドロップアイテムを受け取ってインベントリに入れる。そのときに後ろから聞こえてきたルージュのつぶやきにウィンは振り向きながら答えた。
「そうっすよ、アイビーは裁縫師です。俺が今着てる服作ってくれたのもこいつです」
「えぇ!?てっきり大枚はたいて買ったんだと思ってた、すごいね!」
ルージュが目を丸くしながら驚くと、アイビーは照れてウィンの後ろに隠れた。
「あらら、アイビーが照れちゃった」
「……早く次行きましょう」
「はいはい」
ふたりはくすくすと笑いながら赤土の地面を歩き出した。
「ソイルウルフ、魔法使ってくるの厄介ですよね」
「そうね~、足元から来るのがすごく厄介。色も何か赤土と似てるし」
「全部固定してやりますよ」
階段の手前でソイルウルフを倒しながら三人はしゃべっていた。ウィンとアイビーがソイルウルフに一撃いれた後、ルージュが大剣をウルフの頭に打ち付けてる。そんなパワーレベリングのおかげで予定より早くにウィンとアイビーのレベルが5へ到達した。
「レベル5に上がりましたけど、なんかずるしてる気持ちが」
「ずるじゃないよ、使えるものはなんだって使いな~」
「いい子だね~」と笑いながらルージュはウィンの頭をなでる。「ちょっとご主人様に触らないでくださいよ!」「ちょっとくらいいいじゃんね。アイビー君は心が狭いねぇ!」「狭くて結構です!」と階段に立って言い合っているルージュとアイビーをしり目にウィンはレベルが上がったステータスに目を通した。
プレイヤーネーム∶ウィン
ジョブ∶特殊召喚士Lv.5
種族∶人族
HP55
MP78(+45)
筋力6
魔力26(+15)
器用12
俊敏7
耐久7
幸運2
スキル∶使役Lv.3、命令Lv.2、特殊召喚Lv.4、縛り、無属性魔法Lv.4
ネーム:アイビー
ジョブ∶裁縫師Lv.5
種族∶最下級悪魔
HP90
MP75
筋力7(+1)
魔力25
器用34
俊敏28
耐久19(+1)
幸運5
スキル∶従属Lv.4、裁縫Lv.2、糸魔術Lv.6、月の糸
「あ、まーたアイビーの幸運が伸びてる」
「ほんとですか!あー、でも筋力上がってないですね」
「君たちさあ、ステータス丸見えだから隠したら?」
後ろから眺めていたルージュは丸見えなステータス画面にあきれてため息をつく。
「これここで他人から隠せるからちゃんと設定しときなね」
「ありがとうございます」
後ろから覆いかぶさるように身を乗り出しながらルージュはウィンに教えていると、アイビーが複雑そうな顔をしてその様子を見ていた。
「なんかこう、ありがたいんですけどなんか……」
もやもやとした気持ちを持ちながらアイビーは次の階のボスについて質問した。
「ルージュさん、次の階のボスはどんなモンスターなのですか?」
「次のボス~?次のボスはウサギだよ」
ウサギと聞いてウィンの頭には、始めてダンジョンに潜った時にホーンラビットにぼこぼこにされたときの記憶がよみがえった。
「ウサギ?!厄介ですか?」
「でかいウサギがボスで配下のウサギを大量に召喚してくるからね。流石にレベル上がったからちっさなウサギには負けないと思うけど、ボスの攻撃食らったらウィンちゃんとかすぐ死にそうだから気を付けてね」
「はーい。そういえばルージュさんが俺のことちゃん付けで呼ぶの何でですか」
「え?かわいいからだけど。」
「っすかぁ」




