第1話 終末の星海で
流れていく。高速で景色が流れていく。生物の内臓にも似た、半有機的な蠢く金属で構成された悪夢のような回廊。その中を、俺の駆る可変型戦闘機兵ASF‐X01アルタイルと、生き残った小隊の仲間達は高速で敵の中枢部目掛けて飛翔していく。
いや、もう小隊ではない。俺達は4人しか生き残っていないから分隊レベルでの行動となっているか。
装備品のいくつかはとっくに使い切った。耐熱警告表示は鳴りっぱなし。シールドとエネルギー残量にも限りがあるが――。こんな状況でも退けない。退くわけにはいかない。
「エステル! クロックアップを限界ぎりぎりまで上げろ!」
『無理を言わないで下さい、マスター! 今でさえあなたは連用を続けていて――』
脳内にインストールされたナノマシンAI――エステルが警告を伝えてくるが、俺は最後まで聞かずに叫んだ。
「今だけ持てばいい! 後方艦隊も壊滅状態だ! ここで方舟を落とせなければ本星までの宙域を遮るものがない! こいつを突破させたら、帰る場所や守りたい者さえなくなる!」
『くっ! 出来る限りのサポートをします! 死なないで下さいね! ソーマ!』
エステルの声と共に、クロックアップが実行される。
視界が赤く染まって心臓が異常な速度で早鐘を打つ。凄まじい勢いで流れていた景色が、今や緩やかにさえ見える。
エステルのクロックアップにより、脳内の処理速度を強引に引き上げて体感時間を引き延ばしているのだ。口元に笑みが浮かぶのが分かった。アドレナリンでハイになっているのか。
「また壁から生えてくるぞ!」
兆候を察知して叫ぶ。目玉のついたレーザー砲が回廊――俺達の背後から「生えて」くる。植物とも内臓ともつかない生物的な特徴を備えているが、それらは金属で構成されていた。無機金属生命体だ。
背後からレーザーが放たれる前に、思考操作でターゲットをロックしてトリガーを引けば、後部に向かって追加武装のマイクロミサイルが射出されて砲台が生え切る前に粉砕していた。
機械でありながらこいつらは生きている。有機体すらも取り込み、その意識や文明、遺伝子すらもデータの一部として吸収しようと目論んでいる。実際、植民惑星のいくつかがこいつらに「飲まれた」。
全ての意識を、文明を取り込んで永遠のものとし、統合意識マザーの自己進化をしていくことが目的なのだとか。全く以って金属生命体共は理解に苦しむことだが、そこが弱点だ。全てを飲み込むために進軍する敵母船――通称方舟の中枢に座す司令塔、マザーブレインを破壊すれば、末端は制御を失って自壊する、という事がラボの解析と研究の結果分かった。
だから――俺達は起死回生の一手を打つべく、奴らに大規模な作戦を仕掛けた。
節操もなく取り込む性質を逆用し、ラボ特性のコンピューターウィルスをぶち込み、一時的な機能不全に陥らせて、こうやって敵の超巨大母艦の奥深く――中枢部に向かって浸透作戦中というわけだ。
もっとも、ウィルスは少し前から対処されだしたのか、敵の迎撃システム全体が回復しつつあるようだ。だから――ここで作戦が失敗すれば本当に後がない。
「今のでこっちのミサイルも打ち止めだ! 後ろからの攻撃は気合で避けろ!」
「ソーマ! 隔壁が降りるわ!」
今度は前方。編隊飛行を続ける俺達の前を遮るように回廊の壁から隔壁が生えようとしていた。
「火力を集中! 生成を妨害しながら、すり抜けろ!」
エステルの計算では間に合う。最適な飛行軌道を算出し、攻撃目標をリンクさせて攻撃するべき場所を見定め、荷電粒子砲の砲火を叩き込んで隔壁の生成を遅らせながら突破する。
『中枢到達までの予想時間、あと60秒!』
ああ、最高だ。あとたった60秒。魚群のような生体追尾ミサイルとレーザー砲からの砲火が飛び交う回廊の中を、たった60秒耐えれば俺達は中枢に到達する。それでこの悪夢にも終止符を打てる。
細く絞った粒子砲で迫るミサイル群を薙ぎ払い、爆風の中を突き抜けてくるレーザーを曲芸のようにすり抜けていく。
爆風と至近弾とで、機体にかかる熱量が上がっていく。警告音が鳴りっぱなしだ。限界ぎりぎりまでの加速と無茶な戦闘機動で次々とあらぬ方向に重圧がかかり、骨格が、内臓が、悲鳴を上げる。だが、問題ない。そのために俺達はナノマシンを身体にぶち込み、強化手術まで受けているのだから。この程度では意識を失ったりはしない。
生成される隔壁。網目のように張り巡らされるレーザーネット。それらをすり抜け、時にエネルギーシールドを展開し、アルタイルを限界ぎりぎりの速度で飛翔させる。
こちらの速度を見誤っていた迎撃システムの再計算が終わったのか、隔壁が離れた位置で閉ざされようとしている。ウィルスの対処に追われていたマザーは復旧が終わってしまったのか? 今度は――すり抜けられないという結果をエステル達が弾き出してくる。
「リミッター解除! プラズマトーチでぶち抜いてやる!」
「マーク!? やめ――!」
「はっ! クソったれ共、後は任せたぜ!」
先頭を飛ぶマークが叫んで、止める間もなくマークの駆るASFのリミッターを解除していた。
マニピュレーターから大型のプラズマトーチを前方に突き出し、光の矢――破城槌となったマークの機体が編隊から抜け出し、隔壁に大穴を開けて大爆発を起こす。
「くっ!」
「マーク! 畜生ッ!」
『マークさん……!』
仲間の怒号とエステルの声。帰って来ない通信のノイズを聞きながら爆風の中を突破する。
『……ッ! あと45秒!』
爆風と閃光。絶え間ない振動。こちらに向けられた射線の弾道予測イメージで視界が染まる。永遠に続くかのような45秒。
レーザーネットをすり抜けるように突破した瞬間に。
「しくじった……! シールド残量がもうない……!」
イクスの駆るASFポラリスはレーザーネットと同時に飛来したミサイルを避けそこね、シールドに大きなロスを生じさせてしまっていた。
「主砲にチャージしていたエネルギーをそっちに回せ! 何とかもたせろ!」
回廊の中は絶え間ないレーザー弾幕と生体ミサイルの爆風で地獄の窯の底のような状況。高熱警告も出っぱなしだ。今シールドを失っては、例え全てを回避し続けても、僅かな間に蒸し焼きにされかねない。
「くっ! ははっ! 流石にエネルギーの振り替えは間に合わねえさ。残弾ももうねえんだ。だから……。このまま中枢まで辿り着けずに生焼けにされちまうぐらいなら、お前らの活路ぐらい切り拓いてやるよ!」
「イクス! あなたまでそんな……!」
キャロルの悲鳴。止める暇もない。イクスもまた、言うが早いがリミッターを解除して加速した。
クロックアップで引き延ばされた感覚が、その光景の全てを見て取って、何もかもを詳細に記憶してしまう。前方――生体銃座の集中している場所に向かって、光の矢となって突っ込んでいき大爆発を引き起こし、敵の砲台諸共吹き飛ぶ。
『イクス曹長の反応……ロストしました』
モニターに映るべき仲間の顔は、ノイズを返してくるだけだ。残るは、俺とキャロルだけになった。艦隊と共に出撃した時は沢山いた仲間達も、もういない。
全てマザーの目を引き付け、そのエネルギーを消耗させるために。ウィルスを叩き込むための囮になった。外壁に穴を穿ち、主砲を黙らせて。誰かの道を作る、そのための犠牲になった。
誰でもいい。誰か一人が中枢に辿り着き、マザーを叩き潰す。それだけのために。
「……イクス、マークも。ああ――。後は任せておけ……!」
「ええ。やってやるわよ、ソーマ!」
俺とキャロル――キャロライナは同じ施設で孤児として育った。
母星……下層のスラム出身の俺でも、守りたいものぐらいはある。
瓦礫と廃棄物に埋もれたクソッタレな故郷であっても、こんなわけの分からないものに蹂躙されていいはずがない。今でもあの施設のお人好しなシスターは、やせっぽちのガキ共を預かって、育てているんだろうさ。埃に塗れても、ニコニコと笑いながら。だから。
だから、キャロルと共に俺は飛んでいる。開発中の新兵器。その操縦に適性があると分かった。食うのに困らないのならと孤児院を出てから俺達は軍属を選んだが、その中で戦うことに意味を見出し、軍やラボにも友人ができた。ここで戦う理由なんて、そんなもので十分だ。
機体を回転させて放たれる光芒をすり抜け、迫ってくるミサイルをプラズマトーチで切り裂き――。
「何か来るわ――!」
回廊の奥から何かが迫ってくるのを捉えていた。それは――人型をしていた。大きさはアルタイルと同じぐらい。流線形の、金属質な身体。両手に光のブレードのようなものを生やしている。背後から光を噴出させ、右に左に、高速移動を繰り返しながらも迫ってくる。どこか軍の制式量産機ミザールに似ているのは――取り込んだ情報を利用して作り上げたからか。
「高速戦闘できる機体でこっちを潰そうって腹か」
「制式機がベース……。私達の可変型ASFじゃなくて良かったわね。小回りの利く私のデネブで引き付ける。ソーマは……中枢をお願い」
キャロルが、言った。……それが、最善手か。二人揃って足を止めるわけにはいかない。火力に優れた俺の機体での破壊にかけろと。
「……分かった。死ぬなよ。キャロル、マーリン」
「ソーマこそね」
『ご武運を』
キャロルとその支援型ナノマシンであるマーリンが笑って。そして加速していく。
これ見よがしにプラズマトーチを伸ばし、近接戦闘を辞さないとでもいうように突っ込んでいった。俺もキャロルに僅か遅れて加速する。最短距離を突っ切って奴を突破する。追ってくるならそれでいい。キャロルが後背をつくのだから挟み撃ちにできる。
奴はすれ違いざまにこちらに向かって伸縮するブレードを振り回してきた。が、それを曲芸じみた飛行機動で回避して更に奥へ。背後でキャロルが軌道を変えてプラズマトーチとレーザー砲でそれと切り結んでいるのが見えた。
追ってはこない。最後に残ったのは俺と俺の脳内にいるエステルだけだ。
『あと5秒――到着と同時に解析を開始します!』
永遠に続くかと思われた回廊に終わりがやってくる。突き抜けると、そこは広大な空間だった。
そこに。そこにあったのは。巨大な金属の脳髄だった。脳髄のあちこちから伸びたパイプのようなものが天井や壁、床に接続して脈打っている。壁からも目のついた金属の触手のようなものが無数に生えていた。
奴らの首魁に相応しい、悍ましい姿。マザーだ。
金属触手が、一斉に俺を見た。
同時に、俺も戦闘機動に移る。一瞬遅れて、触手の先端からレーザーが一斉射される。
空間ごと埋め尽くし、切り裂くような無数の閃光。プラズマトーチで相殺しながらすり抜けて、アルタイルが飛翔する。
飛ぶ。飛ぶ。回避に専念しながらエステルの解析の時間を稼ぐ。どんな構造で、どこに主砲を叩き込めば最大効率を叩き出し、奴を殺せるのか。
『解析結果出ました……! しかしこれは――』
「何が見えた、エステル」
『以前要塞奥で戦った敵機にもあった表面構造です! アルタイルだけでは、敵表面の装甲材質と質量、その構造から言って、致命的損傷までには僅かに火力が足りないと予想されます!』
エステルの緊迫した声。あれか……。あれも相当強固だったが――。キャロルの加勢を期待するにしても、待つ余裕も戻る時間もない。だが、その程度のことだ。僅かに火力が足りない。そう言ったな。
「なら、やることは決まってるさ」
笑って、俺はアルタイルに特殊なコマンドを送って安全装置を解除する。
『マスター! 何を……!』
「リミッター解除。暴走して吹っ飛ぶ前に決着をつけるぞ!」
声と同時に、アルタイルがそれまで以上の爆発的な速度となる。光芒を振り切りながら言った。
「主砲へのエネルギーチャージを臨界ぎりぎりまで行ってぶっ放す! できるな!?」
『っ! 127%の出力で破壊できます! ですが、機体が持つかどうか……!』
「余裕だ。主砲は理論上140まではいけるってラボの技術班から聞いてる……!」
みしみしと悲鳴を上げる身体と機体。バラバラになりそうな加速の中で、天地を入れ換え、回転しながら飛翔し、プラズマトーチと荷電粒子砲で迫る敵のレーザーを払い、生体ミサイルを振り切り、隙間のない光の檻を突破する。
アルタイルに内蔵された位相融合炉は正しく俺の期待に応え、その出力を推力へと変換。俺とエステルを乗せたまま、凄まじい速度で飛翔し、目指す場所へと運んでいく。
必要な量のチャージ完了と同時に、エステルの分析上、最も効果的だと示された攻撃目標点に移動し、そこで全力の一撃を叩き込む。
目標点は最上部というべきか、最下部というべきか。脳幹のような構造体が繋がっている巨大なパイプ。その根元部分だ。
『トップオブエースの名に相応しい素晴らしい操縦技術です、マスター! 被弾も最小限であるが故に、チャージも予定より早く終わります!』
「ははっ! 余裕をもってぶち込めるな!」
『はいっ!』
エステルの声を聞きながら、俺は目標とする空間に滑り込む。滑り込む直前に一発食らった。片方のメインブースターに損傷を受けて、小さな爆発を起こしながら機体の姿勢が崩れる。
触手達の、その、目。
そこに僅か、感情が映っているような気がした。仕留めたという、安堵。止めと言わんばかりに殺到してくる生体ミサイル群。
『充填率137%! いけます!』
マニピュレーターを操作して壁に突き立て、機体を回転させながら変形。姿勢を制御。そのまま目標点に主砲を向ける。
「この程度で仕留めたとでも思ったか? 素人が」
一転、目玉どもに、驚愕と恐怖が宿ったのが見えた。
「くたばれ」
俺は、牙を剝くように笑って、迫ってくるミサイルにも構わずにトリガーを引いた。
――重力集束砲グラヴィオン・バスター。
黒紫色の凄まじい閃光の奔流が放たれていた。
黒い雷を纏いながら目標点に寸分違わず着弾する。着弾に構わず、そのまま黒い奔流が放たれ続ける。
音もなく。一点に閃光が宿ったかと思うとそこを中心に巨大な黒い球体が生じる。生じて、膨れ上がる。脳幹を飲み込み、脳髄を飲み込み。迫って来たミサイル群を吸い込み。爆風すらも黒い虚空の中に消える。
力の放出と共に黒い球体は更に膨れ上がり、一切合切を抉り取り、捻り潰していく。位相融合炉に直結された主砲より放出された力は空間を歪ませ、撓ませ、超重力の井戸を作り出す。
臨界寸前のグラヴィオン・バスターは凄まじい反動だった。可動式ブースターを逆噴射させて全てを飲み込む圧力に耐える。機体がびりびりと震え、壊れた片翼が折れて吹き飛んでいった。主砲もチャージしたエネルギーを放出しきったものの、白煙を上げていた。二発目は撃てまい。
だが――その結果は上々だ。膨れ上がった巨大な黒球は、やがて一点に向かって集束していく。脳髄を、脳幹を、ひしゃげさせて押し潰して、複雑な構造体を何の意味もない一握りの金属塊にまで圧縮していた。
『目標、沈黙。しかし、これは――』
エステルが声を上げる。
『やったのね! ソーマ! さっきの奴がいきなり動きを止めたわ!』
キャロルの喜びに満ちた通信が入る。周囲の目玉触手共も、全てが力を失くしている。そう。仕留めた。マザーを文字通りにぶっ潰した。キャロルも生きている。俺の、勝ちだ。
「ああ。ぶっ潰してやった。先に脱出していてくれ」
『救助は?』
「必要ない。もう、敵はいないんだ。こんな気色の悪いところじゃなく、外で会おう」
『分かったわ。なら、先に行ってるわね』
これでいい。俺も機能停止を確認したその瞬間には、キャロルの後を追って、飛んでいる。メインブースターの片方が壊れているので変形してもバランスは悪いし速度も出ないが、今は飛行形態で飛び続けるしかない。
「最後の最後にしくじった。間に合わなかったら悪いな、エステル」
『いいえ。データから見るなら、貴方でなければ直撃だったでしょう。それに、私達は成し遂げたのです。私は、貴方を誇りに思いますよ、マスター・ソーマ』
エステルの、静かな声。戦闘中のような切羽詰まった声ではなく、信頼がその声には込められていた。
『それに間に合う可能性は五分五分というところですよ。内部構造だって既に分かっているのですから。主砲に回していたエネルギーの分、今は余裕がある。チャージが間に合えば、短距離のワープだって使えますよ』
「そうか。なら、それに賭けてみるさ」
グラヴィオン・バスターの効果範囲外に残った脳髄の欠片。
それはもう残骸だ。連鎖的に誘爆を起こしていた。そこかしこで高エネルギー反応。爆発の警告を示すアラートが鳴り響いた。それを飛び立つ前に確認している。
マザーを支えていたエネルギーが行き場を失くし、連鎖的に誘爆を起こしている。この超巨大母艦全体に爆発が広がるのも時間の問題だろう。
コアルームからの爆風。背後から迫る白光から少しでも早く遠ざかり、逃れるようにアルタイルは飛翔する。敵はもういない。今のアルタイルに出せるだけの推力を振り絞って、飛ぶ。
メインブースター1基と片翼1枚を失っているのに対し、サブブースターを一斉推進してバランスを補う。こちらの操縦に追随して、アルタイルと繋がっているエステルが微細なシステム調整を行っての飛翔だ。
前方で起こる小規模な誘爆。崩れる構造物の破片を掠めるようにして先へ。更にその先へと突き進む。
それでも、尚爆風の到達速度から脱し切れない。背後の真っ白な光芒が僅かずつではあるが距離を縮めていた。まだだ。俺も、エステルも、アルタイルも諦めてはいない。
コンマ1秒。1瞬でも多く時間を稼ぐ。突入もマザーとの戦いも、そして脱出も。時間を稼いでばかりだな、今日は。
『チャージ完了まであと10秒!』
エステルの拡張現実機能によって思考内にデジタルクロックが浮かんだ。ゆっくりと0に向かってカウントダウンしていく。クロックアップで間延びしているからか、たった10秒が果てしない時間に感じるほどだ。
絶え間ない振動と轟音。小規模な爆発。衝撃と高熱で、シールドがみるみる減衰していく。
そんな中で――ようやくその時を迎える。
『出現座標は方舟の外部に設定! 短距離転移、いけます!』
「転移実行!」
0になると同時に、転移――つまり、ワープを実行する。眩い光の中にアルタイルは突入する。しようと、した。その、瞬間。
『至近に高エネルギー反応!? ――これは、転移に影響が――』
不測の事態が起こってももう、転移は実行に入ってしまっている。止められない。俺達とアルタイルはそのまま、眩い光の中に飲み込まれていった。
というわけで新作はディストピアでシューティングゲーム的な世界観で育った主人公と、そんな主人公を剣と魔法の異世界でも支える電脳精霊のお話です。時々ロボットも出ます。
楽しんで頂けるよう頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。




