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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
シーズン2 エピソード2魔族討伐
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その晩

その晩


キャンプと言っても全員テントで寝られるわけではない。

ほとんどがホロ付き馬車の荷台や草の上にシートを敷いて星空を見上げながら羊を数える。

最初のプレゼントで手にいれた一戸建て(ログハウス)を出すこともできるが。

この時点であれを出すと確実に要注意人物のレッテルを張られてしまい、魔王討伐を率先して任されてしまう事になる。

出来ればそれは勘弁してほしい、手伝う事はやぶさかでないが。

責任まで持たされるのは俺の性分ではないし、どうせクエストとなって命令を聞かなければいけない状況になるのだから。

それが分かっているのに自ら進んで目立つのには抵抗がある。


「勇者ノブユキ」ユーリア

「何でしょう」

「少し話さないか?」

「良いですよ」

「勇者ノブユキはなんで断らなかったのだ?」

「あ…特に理由はないです」


まさかクエストだからといってNPCに通用するのだろうか?

まあそれが通用したところで帰ってくる言葉はNPC用に解釈するのだろう。

この世界はかなり現実には忠実に作られているが、個々の思考までを全て味付けしてあるのだろうか。

前回の時で分かったのは同時にNPCが話すことが無いと言うことぐらいか。


「そう言えば従者はもう眠っているようだな」


昨晩、初めてHをした相手である癒術士フェシルはこの行軍にも同行している。

俺専属の従者となった事で、他の異性からアタックを掛けられなくなったと喜んでいたが。

俺にはこの世界のそう言った事情がよくわからない。


「そのようですが…」

「勇者ノブユキ、頼みがあるのだが」

「何でしょう?」

「えーと 出来たら私とも契りを交わさないか?」

「え!」


ユーリア聖騎士団の隊長、彼女はポラリス枢機卿の娘であり聖女(NPC)候補の一人でもある。

本来は聖教会の聖女として過ごすはずが、ホーリー・ポラリス枢機卿には5人の娘がいて彼女は三女だと言う。

現在は長女と次女が聖女として聖教会にいる為、彼女には騎士隊の聖騎士として聖教皇から勅命を授かった。

まあそう言うストーリーと言う形だな。

聖女はもちろん婚姻などをしてはならないし、一生神の奴隷と言う形になる。

だがそうでない者は爵位持ちか勇者とつがいになって、次世代の子らと共に貴族社会を作る義務を課せられる。


「なんで俺を?」

「いやなのか?」

「そう言う事では無くて…」

「フェシルからも聞いたよ、優しくてそして強くて」

(まじかよ、面倒くさいことこの上ない)


そう言いながらユーリアは真っ赤に頬を染める。

一応この騎士様は戦士LV50を超えており、上級職である聖騎士LVも20となっている。

LV99で転職したのではなく、聖教会のトップである教皇様から転職スキルで与えられた職業だ。

と言う事はLV99まで戦士LVを上げなくても教皇に頼めば上級職に転職できたりする。

他にも転職できる方法があることを今は確認済みだ、それは転職スクロールとか言うやつだ。

そっちは難しいクエストやダンジョンなどで手に入ると言う。

色々と制約があるようだが、手に入れたなら試してみたいものだ。


「あの…俺の手を取って何を?」


ちなみにここは馬車の荷台、隊員のほとんどは草の上で雑魚寝だが俺は勇者候補というだけで特別扱いになっている。

確かに彼らの攻撃力より俺の魔法攻撃の方が威力が数段上なので感謝されていたりもする。

その働きが功を奏し馬車での就寝を勧められたならば断るわけにもいかない。


「いやか?まだ私は生娘なのだが…」

「え?」


色んなスキルを持っているけど、まだH系のスキルは無かったはず。

この世界のスキルは自動的に何かをすれば勝手についてくるのは分かるが。

たった1回Hしただけで次々に迫られるなんてことは無いと思う、いやあり得るのか?


「何を!」

「この甲冑は邪魔だろう」


胸当てや腰当など、普段はさらに重そうなグリーブや籠手を装着しているが。

現在は軽量の防具に換装している。


「どうだ?」

「どうと言われても」


月明りに照らされて均整の取れた体のラインが俺のアシストされた視覚を刺激する。

身長は俺と同じぐらいあり、程よい筋肉と柔らかそうな曲線にしばし目を奪われる。


「この体を好きにできる殿方を探していたのだ」

「す 好きに?」

「この先は…」

【聖国の貴族の娘とH、もれなく貴族の称号を得られる、快感授与のスキルを取得可能】

(うそだろ…)


ゲームの世界ではあるが、様々な色付けをされている。

切れば血がドバっと飛び散り、NPCも召喚者も遺体はその場に残る。

NPCは土に埋めると数時間で消滅するが、召喚者は現実と同じで燃やさない限り腐りもしない。

遺体になって消える場合は現実に戻った時らしい、要するに直ぐ遺体が消えたならすぐに現実へと戻った事なのだろう。

その時間差でどう違うのかそのロジックは俺にもまだ分からない。

この夜、俺はいつの間にか二人目の従者(騎士様)と関係を持つに至った。

(絶対他の勇者候補に何か言われるだろ~)

多分、柚子には最悪嫌われてしまう事になりそうだが、さてどうなることやら。


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