偵察隊の夜
偵察隊の夜
同じ頃、既に北の砦へ半分の道程を進んでいたノブユキ一行。
25人と言う部隊編成だが、これは王都に魔物が襲撃して来る可能性を考えて出した結果だ。
案の定、先ほどまでこの部隊にも数百匹の魔物から攻撃を受けていた。
「大丈夫か?」
「俺は大丈夫だ、そっちは?」
「2人やられた」
馬車の一つが粉々になり、そこにいた隊員が2人巻き添えを食った。
眠気を押さえて魔物の気配を探っていた信之はとっさに飛び降り声を出した。
「魔物だ!」
「敵襲!」
既に夕方に差し掛かり、あと数分移動してキャンプするはずだったが、そんな悠長な事をしている暇など無くなってしまった。
出来るだけ魔法だけを使用して対応したいところだったが。
攻撃して来る魔物の数が半端なかった。
【魔物を100匹倒せ】
【死者を5人未満に抑えよう】
【魔法だけでやり遂げたらLV+5】
矢継ぎ早にクエストが表示される、無理そうなクエストが表示されるが、そんな事を考えている余裕さえない。
「エアカッター」
「サンダー」
「アイスバレット」
とりあえず覚えた魔法を目の前に見える魔物へと解き放つ。
ハーピーに紛れてワイバーンも数匹いる。
大きさはハーピーの4倍、そのキバは鋭く足で捕まれ頭を食いちぎられるとあっという間に終わってしまう。
「エアカッター」
(だめだ、敵が多すぎる)
【上級魔法トルネードを覚えました】
「やった」
「トルネード!」
「ゴー」
空から攻撃してきたハーピーとワイバーンを纏めて駆除。
「おーやるな」
「これで空からの攻撃は心配しなくて良さそうだ」
まとめて屠った事により魔術LVはいつの間にか45を超えていた。
「あーやばかったぜ」
「ダミアンとマッセがやられた」
「急に魔物が現れたな」
「王都への攻撃か、戻らなくていいのか?」
「魔王国の侵攻が早まったのかもしれない、ここから戻ってももう遅い」
「そうなのか?」
「ああ、このぐらいで焦っていたら、この先持たないぞ」隊員
「奴らはこちらの動きを試しているのだ」ユーリア
この地に戦死した2名の墓を作りキャンプ地である場所まで進む。
明日には基地となるノルザン砦から偵察任務を始めなければならない。




