三日目の夜
三日目の夜
結局、勇者候補でLV10へと到達したのは俺と柚子を外して34名、男子が14人女子が20人。
到達できなかったのは全員クズ勇者候補で14名、昨晩夜這いした奴らとそれを手引きした女子2名は残念ながらプレゼントを失うようだ。
「あ、帰ってきた」柚子
「なんで?」
「ちょっと話が有るわ」
「分かった」
誰に俺の部屋を聞いたのか、俺が戻るのを待っていたらしい。
そう言って中に入ろうとしたのだが…
「え?」
「だれ?」
「ちょっと…」
「ここじゃまずい」
「へ~そう言う事」柚子
俺の部屋にはまだフェシルが布団にくるまれていた。
とっさに柚子の肩を押してUターン、宿舎の外にある椅子に腰かけて事の次第を説明することに。
「だから逃げられなかったんだよ」
「それ本当?」
「ああ、もしかしたらそっちにもそういうクエスト発生するかもしれないぞ」
「まさか~」
(こんな場所で処女失うとか絶対いやだし)
「そんな事ならすぐ別のクエスト発生させて現世に戻るわ」
「女子は経験と言うより処女を守るようなクエストになるんじゃないか?」
「処女!」
「え、もしかして柚子ちゃん…」
「何よ Hな想像してるし、それ以上言うと記憶消すからね」
ホッペタを膨らませて納得いかないと言うようなふりをする。
この先を考えて見ればどうなるかぐらいの想像は付く、一癖も二癖もありそうなこの国の爵位持ちや、この先に登場する怪しい魔族達。
いくら勇者と言えど、性別が女性ならば男どもに襲われる方向性から逃げるのは難しい、これからどんどんそんなクエストが増えるはず。
柚子一人だけではない女子全員がそう言うクエストのターゲットになるだろう。
「どうせなら善行LV高い子達集めて、早めに防衛部隊作った方が良いかもしれないぞ」
「経験値上げるために戦場へ出た方が良いと?」
「この国の貴族に言い寄られても良いなら別だけど」
「考えて見るわ」
(そういうクエストが来たらかんべんだわ)
「それと俺は明日から別行動になりそうだ」
「なんで?」
「国境調査、まあ斥侯だな20人からなる教国騎士隊に同行する」
「クエストなのね」
「ああ、俺ばかり先に行くと同じ時期に帰れない可能性がある」
「今回の召喚、ちょっとおかしいわよね」
「50人規模って初めてじゃないか?」
「イベントキャンペーン…」
「クリア後にあのライブハウスに戻るって、おかしいだろう」
「一人だけ戻る、49人残して…それはないわね」
「何か引っかかる分けね」
「注意した方が良い、できれば助けたい人は早くLV上げさせておいた方が良いと思う」
「分かったわ」
単発で行方不明が出るのとは違い、まとめて50人はその数もだが。
生きて戻った場合どうなるのだろうか?
「あの女性も一緒に行くの?」
「え?」
側付きと言えば、身の回りの世話をする侍女かもしくはメイドのような物なのだろう。
後で聞いてみるしかないが、連れて行く場合さらなる問題を抱える事になりそうだ。




