選別は?
選別は?
教官と言ってもずっと手取り足取り教えるわけではない、殆どが見ているだけであり質問などが無い限り教えることなどない。
だが勇者候補に差がついてしまえばこのまま全員一緒に訓練するのは返ってマイナスになる。
特に善行レベルの高い勇者候補は、プレゼントだけをとっても数倍の能力があると言って良いのだ。
「これより勇者ランクを分ける事とする、これは暫定だが上級・中級そして下級だ」
「え~」
「まじかよ」
「それってどう違いがあるんですか?」
「現在の時点でLV15以上になった者は上級勇者だ、既に一人確認している」
「誰だよ!」
「あえて名前は伏せるが、努力をすれば他の者もいずれ到達する」
「では今から分けるので用意した札を受け取るように」
それはカードの様な物だった、そのカードは手に取ると自動的にランクのみが表示される。
上はSから下はG迄だが、その文字で3つに分けようと言う物だ。
「Gの文字が浮かんだものはこの場に残り訓練を続けよ」
「Fの文字が浮かんだものは別な仕事を与える」
「Eの文字が浮かんだものは神官の指示に従ってくれ」
「本日中に文字が変われば後で知らせるように」
信之のように上級魔法が使用可能であったり、この段階でLV15を超える事が出来れば個室を与えられる。
そこからは少しプライバシーを守れるが、男子は全員懐柔する為なのかNPCの女子をあてがわれることになるだろう。
ちなみに女子がLV10になった場合別なお誘いがあるらしい。
「ノブユキ、あなた何やったの?」
「昨晩ダンジョンに同行したらボスを倒してしまったんだ」
「まずいんじゃない?」
「そうなんだけど、クエスト発生したから仕方ないよ」
「そうなんだ…」
「それより、これからは多少自由になるけど仕事が難しくなるかもしれないよ」
「そうなのね、何かあったらまた後で知らせるわ」
「勇者ノブユキ」
「あ 行かなくちゃ」
何をさせられるのだろう、このペースでLVが上がるのなら1か月もすればほぼ全員がLV50に到達するだろう。
前回この世界に来たときは、最後にLV70の魔将軍と戦った。
多分決戦ともなれば、LV80クラスの敵がうようよ出て来るような気がする。
その前にやらされそうなこととは何だろう。
「こちらです」
そこにはきらびやかな服に身を包んだ男女が数人、これまた豪奢な椅子に座っていた。
エピソード1目覚め 完
いやーとうとう異世界集団召喚の儀が始まりました。
目覚めどころか地獄へと叩き込まれたようになってしまいましたが、ノブユキも柚子も2度目ということで何とか大丈夫でしょう。
だが他の勇者候補(流魂者)はそんなことはお構いなく、勝手に好きなことをほざきますが。
この世界すでに何人も死人が出ています、そうです生きて帰るには遊んでなどいられません。
さあ次回はとうとう魔族との戦いが激化していきます。
もちろんHなシーンもてんこ盛りです。




