二日目の訓練
二日目の訓練
そこには木人形が5メートルおきに並んでいる、二日目の授業はその人形に向かって魔法を放つ訓練。
どうやら木人形には魔石が取り付けられており、経験値を与えるような、特殊な魔法が組まれているらしい。
「本日はあの木人形に向かって魔法を放つ訓練だ」
「はい」手を挙げてみる
「なんだ?」
「どの属性の魔法でも構いませんか?」
「ああ構わない、今出せる特大の魔法で攻撃してみろ、それにより経験値が多く溜まるように作られているからな」
戦士の訓練場にも同じように木人形が有り木剣を使用してその木人形を攻撃すると経験値が溜まると言う寸法だ。
魔術士を選んだのは50人中14人、戦士は23人、癒術士は3人、工作士は5人、召喚士も5人。
割と戦士以外の職業の多さに気付く、そして初日にもうろうとしていた勇者候補たちがほとんど召喚士と工作士になっていることを知った。
「次!」
「穿て 土の精、ストーンバレット」
「燃え尽せ 火の精、ファイヤーボール」
「解き放て 水の精、ウォーターライン」
「吹き荒れろ 風の精、エアカッター」
「天の裁き 不浄を正せ ホーリーアロー」
魔法スキルを極級で取得しているとLV1で中級魔法が出せるようだ、とりあえず聖属性魔法を使用して木人形を攻撃してみる。
最初は言葉に出さないとうまく攻撃魔法が発生しないらしい、ちなみに聖属性の攻撃魔法は難しいらしい。
「おー、ホーリーアローか、鍛えれば近衛兵になれそうだな」
やはりいらない事はしない方がよさそうだ、目を付けられてしまったらしい。
「お前は後で隊長の元へ行け」
「なんで?」
「うまくやれば少し良い部屋で寝られるぞ」
それは美味しいとはいえ、情報取得には足枷になってしまう。
目を付けられると言うのをできるだけ避けた方が良いというのがこういうことだ。
「断れませんか?」
「なんで、良い部屋で寝れると言う事は食い物も良くなると言う事だぞ」
「おー」
何故か他の勇者候補から声が上がる、確かに奴らからすればそっちに行きたいと思うだろう。
「仕方ない…」
「他は練習を続けろ」
鑑定スキルで訓練生を見てみると数分でLVが一つずつ上がっている。
どうやら木人形に掛けられた魔法と言うのは経験値倍加の腕輪と同等の能力があるらしい。




