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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
デスアプリシーズン2 エピソード1 目覚め
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初日が終わる

初日が終わる


座学が始まってからはさほど混乱は見られなかった、魔術士を選択するとスクロールを使用しなくても簡単に各種魔法のスキルが得られるようだ。

この世界に入る時、全属性の魔法スキル極級を取得している俺は既にベテラン魔術士ぐらいに多彩な魔法が使えたりする。

但しそれを自慢したりすれば、折角粉飾スキルで隠しているステータスがばれてしまう。


「おい」

「お前なんか他の奴と違うな」

「そうか?」

「最初に勇者セット貰わなかったのか?」


どうやらこの男は善行LV15以上だったらしい、勇者セットを身に着けている。


「そのセットは恥ずかしくないか?」

「だがこれを着ている限り他の奴らより能力は全て上になるだろ」


その通りなのだが、既に勇者セットを必要としないぐらい、各種の能力が上がっている俺としては普通の服を着ていた方がこの世界で生きて行くのに有利だと思っている。


「こちらが皆様に与えられた宿泊施設となります」


それは石作りの建物であり、中には簡素なベッドが10個以上並んでいた。


「マジかよ、プライバシーと言う物が保たれていないじゃないか」

「皆様には此処で1か月暮らしてもらいます、訓練が終われば能力に応じて給金が発生しますので、そこからは王城から出て普通の宿場を利用する生活へと移ってもらっても構いません」

「但し王城から外へ出るにはこちらの首輪をつけていただきます」


それは服従の首輪、鑑定すると一度嵌めると特殊な鍵が無ければ外せないと出ている。


「その首輪を付けないと外へ遊びに行くこともできないのか?」

「そう言う事になります」

「勇者候補と言うより戦奴候補だな」

「我が国のために働いていくつかの勲章を手に入れる事で首輪は外すことができるようになります」


教師役のNPCがそう言った途端に男性陣数人が抗議の声を上げる。


「ふざけんなよ、お前ら!」

「誰が従うか!」

「もう我慢がならねー」

「どこへ行く!」

「ここから出て行くんだよ」

「まて!」


数人が本日の宿となる宿泊施設から外へと出て施設の裏門へと向かう。


「まて、衛兵!」


裏門に詰めていた衛兵数人がこちらへやって来る、まさかその場ですぐ殺し合いが始まるとは思わなかった。


「わー」

「一歩も出すな!」


LV1の勇者候補たち、半分は善行LV5以下というクズと言って良い。

しかも反抗した勇者候補が全員このLV5以下。

衛兵の平均LVは50前後であり、中には戦士から騎士へと転職した者もいる。


「バシュン、ガシュン」

「なんだ!」

「ウワー」

「痛い!」

「助けて…」

「シュワワ」

「ヒール」


そんな衛兵に勝てるわけもない、一度戦ってみればその差が歴然としている。


「もうよせ!」

「いてー」

「なんてことするの!」


別な宿泊棟からも騒ぎを聞きつけ数人が出て来る、多分癒術士を選択した子達だろう。


「命令を聞かない奴はこうなる、死にたくないのなら逆らわぬことだ」


死ぬ前に回復魔法を使用すれば何とか命は失わずに済むが、癒術士のLVもまだLV2以下という現在。

その威力は切られたキズを直ぐに治せると言うわけではない、何度もヒールを重ね掛けしてようやく傷がふさがって行く。


「こういう事になるぐらい分かるでしょう」

「す すまない」


ある意味善行LV5以下の勇者候補はこの場で訓練していた方が生き残る確率が高いと言える。

いくら自由が無くとも、このまま外の世界へと出れば逃れられない現実が待っている。

しかも最初のクエストである三日以内にLV10と言う試練をこなせなければせっかくもらったプレゼントまで失ってしまうのだから。


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