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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
デスアプリシーズン2 エピソード1 目覚め
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選別の儀

選別の儀


どうやらここでクエストが発生しているようだ、だが信之と柚子にはまだ何のお知らせも出ていない。


【クエスト発生まずは三日以内にLV10を目指そう、従わないと与えられたスキルやせっかくもらったプレゼントが無くなるよ】

「柚子ちゃんなんかスマホから声が…」

「なんかクエストとか言ってるぞ」

「お静かに、それが勇者となるためのテストであり天からの指令です」


ぞろぞろと通路を歩いていると、どうやらここは大きな建物であり。

どこかの聖堂もしくは城の中に見える。


「こちらです」


その部屋には中央に大きな彫像が有り、多分女神を模しているのだろう。

その女神が両手で透き通った玉を持っている。

その位置はちょうど俺達の胸の位置であり、どうやらそれに触れると俺達の職業が分かると言う仕組みなのかもしれない。

既に自分で選んだ職業があるのだが、この選別は召喚した側が俺達の職業を測るための物らしい。


(粉飾スキル発動)


前回の召喚で手に入れていたスキルを発動する、敵を騙すためのものだが今は身を隠すために使用する。

柚子も多分粉飾スキルかもしくは偽装魔法を使用するだろう。


「それでは一人ずつ女神さまが持つ水晶に手を触れてください」


一人ずつ水晶の玉に手を触れる、そうすると横にある石板にステイタス画面が現れ。

側にいる技術者がそれを読み取り、手に持っている紙にデータを魔法で写し取る。


「戦士・HP5DF2…」


どうやら善行までは表示されないようだ。

全員の職業が分かるとどうやら全員5つの職業に分かれてまた別の場所へと連れていかれるようだ。


「え?ゆずちゃん」

「後で会える、まずは職業で選別し最初の説明をするだけだ」

「従ってください、後で必ず会う事が出来ます職業によって訓練方法が違いますので、ご理解ください」


神官と思しき女性が補足を付ける。

俺は今回魔術士を選んだので柚子や明奈と説明は別な場所で受けるようだ。


「おいノブユキ」

「ああおれは魔術士だから」


どうやらミツルは戦士を選んだようだ、そして謎の女が選んだのは魔術士らしい。


「あいつらは戦士か…」


バンドのクズ達は全員戦士を選択したのか魔術士の中にはいなかった。

そして床に座り込んでラリっていた数人はどこかに連れていかれたままだ。


「こちらにお入りください」


その部屋には椅子が幾つか置かれており、その前にはいかにも魔術士と言える恰好をした人物が俺達の方を向いている。


「まずは椅子にお座りください」

「なんだよ」

「ババアじゃん」

「そこ、口を慎みなさい」

「チッ」

「私の魔術士としてのLVは55です首都シルバニアの宮廷魔術士であり皆様の教育係をこれより担当することになります」

「ババアが何だって?」

「ぎゃはは」

「おだまり!サイレントマウス」

「ん んん」

「逆らうものはこのようになります、2度目は有りません、死んでも良いのなら話は別ですが…」


暴言を吐いていた数人が首をコクコクと動かす、だが教師となるべく人物は彼らの魔法を解くことも無く仕事の続きを進めるようだ。


「私の名はサラ・ウェストウッド、これより魔法の指導を行います」

「はい!」

「質問ですか?」

「そうです」

「よろしい、質問を受け付けます」

「この国の名は?」

「ここはアルカナル聖教国 聖王都ハルカスと言います、大陸のやや東に有り4つの国に面しています」

「シルバニア聖王家と言うのは?」

「アルカナル聖教国を統治している聖王家となります」

「なんで召喚したのですか?」

「魔族の侵攻が近いうちに始まると判ったからです」

「この国の戦士だけでは戦えないのですか?」

「魔族は聖教国の全貴族が戦いに身を投じても勝てないとのお告げがありました」

「それで俺達を召喚したと?」

「そう言う事になります」

「勝手なやつらだ」


どうやら俺以外はアプリのせいでこの世界に連れ込まれたと思っていないようだ。

確かに最初の召喚場所が魔法陣であればナビゲーターの話が有ってもそう思うだろう。

この世界へ連れ込まれた原因が隣に座っている女のせいだと知っているのは俺と戦士として登録したらしい柚子だけだ。


「質問は以上ですね」

「…」


座学は約2時間に及んだ、最初は魔法の詠唱から始まり。

次は魔力の測定や5大魔法の性質など。


「それぞれのエレメント(性質)によって使い分ける事が必要となります」


ちなみに生活魔法と言うのは初級魔法であり、全てのエレメントを含んで使用される為、最初に覚える魔法となる。

その後は得意な魔法によって成長率が変化する為、明日からは得意なエレメントに特化した訓練へと移行する。

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