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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
デスアプリシーズン2 エピソード1 目覚め
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初めてのダブルデート

初めてのダブルデート


何故デートに来ているのか、それは断ることもできたのでは?確かにそれも考えた。

但し、山口花梨とは恋人同士というより、そう言う偽装を手伝ってほしいとたのまれただけ、別にラブラブなわけではない。

それと今回のダブルデートは前々から頼まれていたこともあり、今更断るにはいかなくなっている。

何故かと言うといつの間にかミツルに金を掴まされてしまったからだ。


「明後日だからな、絶対だぜ」

「マジかよ」

「手を出せ」

「なんだよ」

「前金だ」

「おいおい、いいのかよ」

「良いも何も新しい女を手に入れるんだ、このぐらいは必要経費だぜ」

「まあ 仕方ないな」

(少し善行値が下がるような気がするが、ここはあの世界じゃないから…)


渡されたのは太っ腹な5千円、いつもならミツルが金を出すなんてことはあり得ない。

一応相手はお金持ちのお嬢様だと聞いていたりする。

俺が会った事の無い女子の様だ、どうやってそう言う女性達と友達以上になれるのか。

本日のデートも落ち合う場所は駅の前、どうやら電車で出かける事になっている様子。

まあ俺もミツルもまだ免許と言う物は持っていない。

とりあえず夏にはどこかの教習所へと入ろうと思うのだが、そこに支払うお金はまだ溜まっていない。

正直ミツルから渡された金は金欠の俺には有難かった。


「おーい」

「ミツル、まったぞ」

「ごめんごめん、女子の一人が都合悪くなって、急遽もう一人の子に変更した、お前は知ってるはずだよな」


会った事が無い女の子はミツルが狙っている子だけで、もう一人は先日合コンで出会った金城柚子だった。確かに彼女はクールビューティー。

合コンでも会話は少なく、酒は一滴も飲んでいなかった。


「久しぶり」

「ああ久しぶりだね」

「二人は知り合いなんだ へ~、私は朝倉明奈よろしくね」

「よろしく」

「挨拶も終わったし次へ行こう」

「どこに行くんだ?」

「言ってなかったっけ」

「おまえな~」

「悪い悪い、実は女子にも秘密だったんだ」


何故秘密にしているのかはわからない、だが遊園地やレストランという分けではなさそうだ。

移動したのは六本木の駅、そこからは歩いて行くらしい。


「まだ時間があるから、あそこに行くぜ」


女子の足元を見ると少しおしゃれをしてきたのか、2人共にローヒールであり。

向かう方向には六本木から一番目立つあのタワーへ向かって歩いているようだった。


「もしかして東京タワー?」

「先にあそこで時間潰して、その後は食事してからライブに行く」

「誰の?」

「それは秘密」


全くこいつは、こちらが知りたいところをほとんど隠してくれる。

東京タワーは良いとして、クラブのライブなどと言うチケットを入手するような伝手がミツルにあったとは。

だが今はそんな事はどうでも良い、久しぶりの真っ赤なタワー、天気が良ければそこから見る景色は最高だ。


「たかーい」明奈

「始めてきたわ」

「金城さん初めてなんだ」

「そうよ、スカイツリーは行ったけどね」


入館料を支払いエレベータで展望台まで行くと、本日の天気は晴れだったこともあり遠くの景色が良く見えた。


「じゃあ頼むぜ」ミツル

「ああ」

「アキちゃん向こうへ行こう」

「あ うん」


どうやら明奈と言う子もグイグイ来る人には逆らえなさそうだ。


「今日はどうして?」

「友人の代わりを頼まれたのよ」

「そうなんだ?」

「もしかして背が伸びた?」

「そうらしい」

「それよりこの前の話、続きを聞きたいんだけど」

「この間?行方不明の話か?」

「そうよ」


確か金城さんは秋元有希と連絡を取り合っていたはず。

何処まで俺と山口さんの話が伝わっているのかが分からないが、俺と山口さんが体験した出来事を話しても良い物だろうか?


「どうして聞きたいんだ?」

「…」

「それを教えてくれたら話すよ」

「このアプリ、私も持っているからよ」


そう言ってスマホの画面を俺に見せてきた。

それは俺のスマホにもインストールされている画像変換AIアプリ。

しかもライブアプリの方らしい。


「どうしてそれを?」

「やっぱりあなた、あの世界に行ったのね」


そこからはまるでその場が2名だけの世界になった、周りの動きがまるで静止画のようになり。

俺達だけに許された結界のようなものが貼られていた。


「これは君の能力?」

「あの世界では物体を持って帰ることはできないけど、培った経験はこちらの世界でも使えるのよ」

「魔術士か」

「正解」


彼女は5か月前に起こった行方不明事件の生還者だった。


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