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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
デスアプリシーズン2 エピソード1 目覚め
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秋元君と再会

秋元君と再会


その週の土曜日、約束していた時間に駅前で待ち合わせをしていると数分して秋元君がやって来た。


「おはよう」

「おはよう~」

「待った?」

「1分かな」

「よかった、最近こっちへは来てないから、駅も変わったよね」

「再開発が進んでいるからね」

「それじゃどこか落ち着いた所へ入ろう」


何故か秋元君は俺をじっと見つめたまま少し後ろを付いてくる。

駅前という事もあり、お店はいくらでもやっているが、こういう時は喫茶店が良いだろう。

歩いて2分の場所に有名なチェーン店が見える、そこへ入って行くと俺はアイスコーヒーを注文する、秋元君はアイスティーを注文した。

開いている椅子に腰かけると、また秋元君が俺の顔を覗き込む。


「ねえ身長伸びた?」

「ああそうかも…」

「髪の毛も、1か月も経ってないよね、なんか雰囲気が違う」

「その事だけど、これから話すから少し待ってて」


何から話せばよいのだろう、先日アプリのせいで異世界へと旅をしたと。

そう話したとして秋元君は信じてくれるだろうか、それに彼の従姉妹の話もしなければならない。


「それは事実なんだよね」

「それより秋元君の従姉妹家に戻ってない?」

「ああ、それなんだけど、2日前連絡が来て長期の家出だったらしい」

「5か月も?」

「少し記憶障害があるみたいで今は入院しているよ」

「そうなんだ、彼女にも合わないといけない」

「なんで?」

「秋元麻里華、彼女もヘブンスバースにいたからだよ」

「本当に?」

「彼女、いや彼も性同一性障害なんだよね」

「どうしてそれを…」

「直接聞いたからね」


秋元麻里華は女性の外見を持った心が男の子だった、但し男子と言っても彼の場合はあまりにも外見がきれいなため、両親はそれを認めたくなかったのだろう。

自分自身の存在を否定されて育ってきたため、自分の居場所が無いと感じていたのかもしれない。

そんな時にいじめの現場に遭遇する、予備校からの帰り道。

たまたまいじめられている女子を助ける為身を挺した時、その場にいた誰かのスマホから写真撮影の音が聞こえた。

勿論その場ですぐに行方不明の事件が起こったわけでは無い。

だが少なくともその晩から2日後までに、俺と山口さんの身に起こったような出来事が立て続けに起こったのだろう。

そしてその場にいた5人中3人が行方不明となり、遺体として発見されたのは2名だった。

5か月も経って生還したのは秋元麻里華ただ一人という事になっている。

そこにいた他の2名はうまくあの世界を生き抜いて記憶をなくしたまま生還したのだろうか。

それともまだあの世界にいて善行LVを上げるべく修行に励んでいるのだろうか。

こちらの世界からあの世界に干渉することはアプリが無ければできない事だ。

しかも麻里華は言っていた「アプリはコピーだったかも」と言っていた。


「だから彼女が入院している病院か、もしくは家を教えて欲しいんだ」

「それは良いけど…」

「もちろん一緒に面会して構わない俺の持つデータを彼女に渡せば問題は全部解決する」


つい先日起こった事を秋元君に説明しても、理解してもらうのは難しいことだ。

だが秋元君もこの話に興味があったのだ、行方不明者がどうなったか?なんで行方不明になったのか?

それを調べるためにいじめの現場まで探ろうとしていたはず。


「分かった、今行こう」

「え、今?」

「麻里華の入院している病院は隣の駅から歩いて数分の所なんだ」


駅前の喫茶店から電車に乗っても20分未満で麻里華の入院している病院に着く。

俺は午後から家族と買い物の予定があるので、面会に行くのなら早くした方が良い。


「分かった、すぐに行こう」


喫茶店を出るとすぐに駅の改札へ、電車はちょうど到着したところだった。


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