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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
デスアプリシーズン1 エピソード1 行方不明
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バックレる

バックレる


勿論素行の悪そうな先輩は次に夏生なつおの友人へと矛先を向けるのだが、一人はクールビューティーの金城柚子さん、身長は170センチ以上ありそうなモデル体型の女子。

いくら先輩がいい寄っても興味すら示さない、だが彼女は何故かこちらの方に目を向けたまま何か言いたそうにしている。


「アッキー私とも話しようよ~」

「え あ~そうだね」


先輩の好みから外れるのか、木梨さんが言い寄って行くと、ややそっけない素振りをするが。

始めオドオドしていた木梨さんは酒を飲むと豹変するのか、今は積極的に逆ナンパしていたりする。


「佐藤君久しぶりだね」


今まで話さなかった秋元君が俺に話かけてきた。


「久しぶり」

「佐藤君はどうしてるの?」

「俺はミツルと同じ学校だから、腐れ縁だよ」

「さっきの子とはどういう関係?」

「バイト先の同僚」

「そうなんだ、ふーん 仲良さそうだよね」

「そう見えたのならうれしいが、彼女の頭の中には俺はいないかもね」

「あー佐藤君にはむずかしい子なのか、なるほどね」

「ところで秋元君は大学何処に?」

「ぼくはG芸大だよ」

「そうなんだ」

「今日の会計って秋元君が出すの?」

「よくわかったね」

「高校の時もそうだったから」

「…」

「いじめられたりはしていないよね」

「昔も今もそんなこと無いよ」


そう言いながら、チラチラとミツルの方を見ている。

多分、秋元君はミツルの事が好きなのだ、まあアイドル並みの容姿を持つクズ男に惚れてしまうのは仕方がない。

秋元有希は昔からミツルの事が好きで、だけどまだその事は告げていないのだろう。

ミツルもことあるごとに秋元君を連れ出しては遊んでいたのを知っている。

本来のATMならば10万円持って来いとか言うのだろうが、ミツルは女と遊びたいだけなので。

金自体を要求するより、遊びに行かないかと誘い金を出させることの方が多い。

しかも秋元君の家はお金持ちだと言うのも聞いているので、ある意味ベストマッチングなのかもしれない。


「佐藤君さっきアプリの話してなかった?」


確かに2つ離れた席にいたので話声は聞いていたのだろう、だが何故彼がそのことに興味を持ったのか。


「あ~、聞きたい?」

「うん」


この時はどうしてそんなことを聞きたいのか俺には分からなかった。

多分興味半分だと…

だから俺は事細かにその話を秋元君にしてあげたのだが、途中からはどんどん食い下がるように聞いてきた。


「それでどうしたの?」

「だからひるんだすきに頭突きを喰らわせてスマホを取り上げて逃げたんだよ」

「すごい そうなんだ だからなんだねー」

「そんなに面白い話?」

「そのアプリで僕も撮ってくれないかな~」

「えー」

「今までは女子だけなんでしょ」

「いやいや たまたま女子が手に入れたと言うだけで男子…」

「気にしないで、僕は今のところ女子とまではいかないのかもしれない」

「そ そうなの?」

「自分でも分からない部分がある、いや 認めたくないだけなのかも」


LGBTQと言ってもその度合いはあまり知られていない、中にはどちらも愛せないなんて子もいる。

だが彼らが皆悩んでいるのは知っているが、俺や大多数の人にはそれを理解するのは難しいのかもしれない。

秋元君ははっきり言うと美形の部類、身長はやや低い160センチ、話し方からはそうだと分からないし、別にそちら側へ行こうとは思っていないらしい。

声はまだ高いままなのはややそちら側なのでは?と思わせるが、基本秋元君は僕又は私と言う言い方をする。

俺やミツルみたいに俺お前と言う話し方はしない。


「僕を撮ってみればすぐわかるかもしれないよ」

「えーそれで本当に行方不明になったらどうするんだ、俺の責任になっちゃうだろう」

「あーそうなるのか…それは佐藤君には悪いことをしてしまうね」

「友人を自分のせいで失うなんてごめんだよ」

「悪い悪い、でもそうなると検証できないよね」

「うーん」

「こうしてみては?」


そこからはもしもの話として聞いておいた、いじめがありそうな人間関係を見つけてシャッターを切ってみると言う計画。

勿論自分達から全く関係が無く、だが聞いた話によるとかなり凄惨ないじめがあると聞いた場所へと出向くことになるのだが。

その中の登場人物を全員AIアプリで撮影してみたらどうなるのか?

それは一つの提案、確かにそのいじめの輪にいるであろう、いじめっ子だけが消えたなら、このアプリの検証ができるのではないだろうか?


「それはそうだけど…」

「それじゃ今度そういうグループを探してみるよ」

「えー」


この時俺は横にいた金城さんが、俺達の話に聞き耳を立てているとは思わなかった。


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