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一方花梨と腐れ縁の久留実は

一方花梨と腐れ縁の久留実は


「ほら顎が上がってるよ」

「ひー」

「お姉ちゃん面白―い」

「へんなかおー」


あのままだと連れて歩くのに足を引っ張りかねない、本人は死にたくないらしく今は花梨の言う事を聞いてはいるのだが。

普段の不摂生が祟って、胸やお尻だけは肉付きが良くなっている久留実。

その代わり顎も二の腕も20歳とは思えないぐらいぶよぶよだ。


「あんた太ったんじゃない?」

「太ってないもん!」

「ゼーハー」


今やっているのは正拳突き100回、花梨も一緒にやっているのだからそれほどきつくは無いと言えるのだが。

まあスポコン少女と怠惰をむさぼったお嬢様ではその差がこれだけ出るのは仕方のない話。

ちなみにちゃんと汗もかくし疲れもするのだから、うまくこの世界から戻れたらどうなるのだろう?


「次は蹴りやるよ」

「ひー」


ちなみに2人共に双子の母親クレープさんに頼んで当分居候させてもらっている。

カリンとしては次のクエストをこなすべくどんどん冒険していきたいのだが。

生来の性格なのか、いくらダメ女でクズだと分かっていても頼まれたら放っては置けないのだ。


「明日も同じルーティーンでやるからね」

「…」

「返事は?」

「お オス!」

「ご飯よ~」


朝は6時起き顔を洗って歯を磨き朝練1時間、朝食を摂った後は坑道で魔石採掘とロックコウモリ狩り。

折角弓を手に入れたんだから使わない理由はない、まあ弓も弾けない筋肉じゃどうしようもないので鍛えてからと言う所。

最低1週間で使えるようにしないと何処へも行けやしない、一応ヒールの魔法は使えるので怪我をしても何とかなりそうだし。

癒術士の場合、治療魔法を使う事でもLVが上がるようだ、ゴブリンに犯されそうになり体のあちこちにできた傷を自己ヒールで直していたら一つだがLVが上がったらしい。

まあ魔法で痩せる事や筋肉増やす事までできればいいのだが、そういう魔法はまだまだ手に入れる事は出来ないらしい。


「美味しー」


この世界ではちゃんと味覚まである、目の前には肉と野菜の炒め物、そして少し硬いがパンまである。


「よかった、私の味付けで勇者様のお口に合うかわからなかったから…」

「勇者じゃないってば、花梨って呼び捨てでいいから」

「ではかりん様で」

「まあいいやそれで」

「子供達もなついてしまって、すみません」

「それは謝る所じゃないでしょ、まあこの子達が居ないとこの鉱山にいてもつまらなそうだし」

「お姉ちゃんだーい好き」

「わたしもー」

「…」

「あんたもアタイみたいになればわかるよ、今までしてきたことがいかにあほらしいかがね、この世界は多分あんたみたいなやつを矯正するためにあるのかもね」


誰が作ったかはまだ分からないが、確かにいじめっ子を矯正するにはこういうシステムの方が分かり易いだろう。

昔ならスポコンで体罰でと言う大人主導のやり方が当たり前だったが、ゲームの中で現実にリンクした生活をさせた方がより現実味が増すだろう。


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