表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/204

腐れ縁

腐れ縁


目の前に現れた怪物、もちろん戦うなどと言う事は考えられない久留実は陰で見ているしかできることはない。

だがそこに同年代だと思われる女子が現れ、目の前で戦い出した。


「スゲー何者?」


この時点でその何者が花梨だとは知る由もなく、そして目の前の光景を黙って見ているしか無かった久留実だが。

とうとう彼女にもクエストが訪れる。


【クエスト発生】

【勇者カリンと魔石集め:カリンのご機嫌を取って同行せよ、嫌われたら失敗】

「勇者?カリン?」


この時はカリンがあの花梨だとは分かるはずもなく、自分の生きる道は目の前に現れた救世主に委ねる他に無いと思っていた。


「すごーい、貴方は勇者様なのね」

「あんた だれ?」

「私は…クルミン、一応ヒーラーなんだけど」

【ポーン】

【クエスト発生】

【新米ヒーラーのお手伝い:クルミンを助けてあげよう、クルミンが襲われ死んだら終了】

「ここでかよ、まったく」

「あの何か?」

「ん? あんた誰かに似てんな…」

(なんだ?この女)

「もしかして山口花梨?」

「あ! 行方不明のバカ女!」

「えー」二人


運命なのかつかず離れず迷惑なバカ女がここにいたとは思ってもみなかった。

この女がカラオケ屋に呼び出さなければ多分2名共にここにいるはずも無かったのだが、果たしてアプリは何を考えここに引き寄せたのだろうか?


「それで何か言う事は無い?」

「あ あるわけないでしょ…」

「あんた知ってる?」

「何が?」

「カラオケボックスにいた、取り巻きの3人」

「あの子たちがどうしたのよ」

「死体で見つかったって」

「嘘でしょ」

「あんたもこの世界に来たなら、解説者から聞いてんでしょ」

「この世界で死ねば向こうでも死ぬって事?」

「ハッタリじゃないの?」

「こうしてアプリの中に引き込まれているんだ、全部嘘じゃないって事かもね」

「…」

「でも一番の元凶がまだ遺体で見つかってないからおかしいなとは思ってたんだよ」

「勝手に殺さないでよ!」

「そういえば男子も全員行方不明だって、もしかしたら全員この世界に取り込まれたのかもしれないね」

「うそでしょ!」

「アタイがそんなウソ付く分け無いでしょ、そんでそっちのクエストは?」

「言わないとだめ?」


クエストの質問になったとたん口が堅くなる久留実、確かに勇者カリンに嫌われないようにしなければクエスト失敗と言う事にるのだから、憎い女を目の前にして口を噤むのも無理はない。

だが、この世界で少しでも長く生きて行くには目の前の嫌いな女にこびへつらうしか生きる道はない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ