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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
シーズン3 エピソード1 現世へ(次なる事件への介入)
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ターゲット確認

ターゲット確認


ノブユキがハングレと遊んでいる間に有希とマリカが立ちんぼ女子と会話していた。


「そうなんだ、でもいないと危ないやつもいるからさ」

「ほんとに遊んでいかない?」

「やめておくよ、もう目をつけられたみたいだからね」マリカ

(あ あそこの子)

(おじさんと交渉してるね)

「じゃあまたね」

「え~」

「友達の話が済んだみたいだからさ」

「どうだった?」

「分かってもらえたよ」

「こっちも、ターゲットは分かったから」

「そうしよう」

(一度戻って作戦を考えよう)


事件が起こるかどうかはわからない。

だが一人の女性がおじさんを捕獲したのは確認できた。

こんな夜遅くお酒も飲まずに女性の立ち並ぶ一角に足を運ぶのだからすることは分かっている。

問題はそのおじさんではなく、おじさんを嵌める女性にハングレがどう関わるのかが知りたい。

先ほどのSNSで待ち合わせしたオジさんはまんまと美人局にやられたが。

今までの調査だと、この地区のハングレは10人や20人ではないらしい、100人以上いるとしたら。

それぞれのグループで別行動している可能性もある。


「それじゃ作戦開始」


スーツ姿のオジが先ほどの女性と腕を組みながら歩くこと数分。

今度はホテルが立ち並ぶ一角へとやってきた。


「ねえ私たちも入るの?」

「入ってみる?」


6人で使えるのかは分からないが、基本的にこういった所は一部屋単位であり時間単位で課金される。

そのため6人で入っても問題は無いと思われるのだが、たまに例外もあるので利用する時は注意しよう。


「わー綺麗な部屋」

「遊びではないのだが…」

「どのタイミングで現れるかだな」


やった後で現れるのかそれとも、やっている最中なのか。

別に何もなければ問題は無い。


「索敵に3人ほど引っかかったわ」

「その少し後ろに一人付けて来るような奴がいるな」

「まずい、出よう」

「えー」


有希は残念そうにしていたが、事件の匂いが濃くなってきたのならば対応しない訳にはいかない。

ホテルに近づく人影の位置関係が徐々に縮まってきている。

取り敢えず外に出て確認しなければ何をしようとしているのかも分からない。

ホテルの部屋から出るときに隠匿スキルを使用して普通の人からは見えなくなるように偽装する。

有希だけは仕方がないので俺の後ろをついてきてもらう。

柚子とマリカ、そしてアンナで脇を固めれば6人いてもそれほど目立たなくなるはずだ。

ホテルの廊下ですれ違う男女は何事かと思うだろうが。

実際に見えている人影は2人ぐらいにしか見えないはずだ。


「え!」

「どうした?」

「今誰かとすれ違ったよ」

「そう?見られたくなくて顔隠してんじゃね」

「えーお忍び?」

「有名人かも?」

「マジ」

「放って置けよ」

(ムニュムニュ)

「あん、H♡」


今までさかんにHをしていたはずのラブラブカップル、ホテルから出るときもイチャイチャしている。

お花畑のカップルは置いとくとして、素早く外に出ると俺と柚子が先行する。


「あれだよな」

「そのようね」


ホテルの壁沿いに少し進むとハングレと思しき人物が3人立ち止まりホテルの入り口を見張っているようだ。

さらにその後ろを歩く人物はどうやら女子のように見えるのだが。


「いた」

「あー?」

「だれだ」

「凛子じゃん」

「どうした、またかわいがってやろうか?」

「私の彼に何をした!」

「そんなの決まってんだろ、お前は俺の女になったんだから彼氏とは別かれてもらう」

「誰があんたの彼女なんだよ、無理やり襲っておいてひどいことされて、殺してやる!」

「そうか、できるもんならやってみろや」

「できもしねーくせに、なんだよ」

「こうしてやる」


その女性が取り出したのはスマホじゃなくスタンガン。

だが喧嘩慣れしているハングレ3人にはその手は通用しないと言って良い。

まあ信之達もそれを黙ってみているほど暇ではない。

この場でデスアプリが使用されなくとも困っている人を見て助けに入るのは当然である。


「はいストップ」ノブユキ

「な なんだ、おまえ!」

「あんたたちも動かないで」柚子

「どこから沸いてきた!」

「どこからって聞かれてもね」マリカ

「わー、こういう現場って初めてかも」有希

「ノブユキ様カッコイイ」アンナ

「こいつら、許さない」花梨


全員姿を現したところで、さらに謎の人物が姿を現す。


「それじゃみんな揃ってハイチーズ」謎の男


この時まで俺はその可能性に気が付かなかった。

それは暗闇から突如現れた一人の男、俺達がハングレと少女の間に割って入った瞬間を見計らって出てきたのだろう。

まるで俺達が何をしているのを見透かしていたかのように、その存在さえも隠したまま潜んでいた謎の男。


「パシャ」

「なんだ?」

「写真撮られたぞ!」

「アバヨ」謎の男

「タタタタ…」

「あ!逃げやがった」ハングレ1号

「やられた!」ノブユキ

「それよりこいつらなんだ?」ハングレ2号

「お かわいいじゃん」ハングレ3号

(こら、花梨を見んな)ノブユキ

「ゴン」

「ウゲッ」

「何すんだコラ!」

(あなたもよ)柚子

「バン」

「ウッ」

「お前も寝とけ!」

(必殺)花梨

「ズン!」

「うわー、いたそー」


目の前で花梨がハングレの股間に一発けりを入れた、その場で3人の男たちが地面にうずくまることになったのだが。


「逃げるわよ」柚子

「貴方も来て!」花梨

「え 何 何するの!」

「ここにいたらやられちゃうでしょ」

「あんたたち誰?え うそ」

(どゆこと どゆこと…)


取り敢えずこれで撤収するしかないのだが、最後に現れた人物はいったい何者だったのだろうか。

それに写メを撮られたのは確実だ、もしかしてデスアプリで写メを撮られたのであれば信之達を含めあの場所にいた全員が巻き込まれることになるのだが。


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