ハングレの確認
ハングレの確認
立ちんぼをしている女子は10人以上、そして注目するのは女子だけでは無かったことだ。
通りの交差する角にハングレとみられる若者数人が女子を見張っているかのように見ている。
「監視かな」
「そのようだね」
「はーい」
「ねえ私と遊ばない」
「えー?」
(こういう時はどうしたらいいの?)有希
(行くならそのまま付き合う、ダメなら断って大丈夫だ)
「ごめん、友達がダメだって」
「そっちのお兄さんもダメなの?」
「僕?構わないけどお金ないんだよね」マリカ
少し歩いただけで一人が声をかけて来る、相手をしているとさらに数人がこちらへと歩いてくるのだが。
「おい!」
「持ち場から離れんなよ」
「イケメンかよ チッ」
どうやらこちらに集まる女子を監視していたハングレが数人、気が付いて数人の女子に文句を言っているようだ。
「おいお前ら冷やかしなら、どっか行けよ」
「なんだ?この道を歩いてはいけない理由など無いはずだが」ノブユキ
「なんだとコラ」
ハングレが最低でも5人以上、この道筋でウリをしている女子の監視でもしているようだ。
「金もねーのにうろつくなって、言ってるんだが」
「金ならあるがお前にはやらねーよ」
「なんだと!」
「おいおいこんなとこで喧嘩でもすりゃ、客が寄り付かなくなんじゃねーのか?」
「テメーコラ、ツラかせやコラ」
「ノブ君…」
「ちょっと行ってくる」
「大丈夫さ、その間僕たちは少し見て回ろう」マリカ
ビルの物陰に誘導されてついて行くとそこにはさらに3人ほどのハングレが待機していた。
「おいこらガキ何してんだコラ」
「お前がリーダーか?」
「あ 誰が口聞けって言った!」
「お前には言われてないな」
「お前だと」
「お前だろ」
「クソガキが、やれ!」
(お前らもガキだろうに)
2度の異世界召喚で培った経験値は戦闘能力だけではない、各種のスキルや予知能力のような事前に相手の動きから攻撃を予測するようなものまである。
いつの間にかノブユキもよわよわな若者ではなく、やる時はやる若者へと変貌していた。
「ドン」
「バキン」
「こ こいつ」
「鉄パイプに、警棒か、そんなの効かないぞ」
「お前も行け!」
「バキン」
「ぐう」
「そんなんで、店番が務まるのか?」
「こいつどこの組だ!」
「組って、おれが893だと思ってるのか?」
「俺らに喧嘩売って来る奴なんかいねーからな」
「喧嘩売ってきたのはそっちだぜ」
「やめ!」
「こいつ強すぎんだろ」
「お前何しに来た!」
「別に、この地区で事件は無いかなって」
「…」
「行方不明になったとか?」
「そんな事件ねーよ」
「そうなのか?」
「とにかく早くここから出て行ってくれねーか」
「まあいっか、俺達はもう少し見て回る、手出しをするなら覚悟しておけ、今度は全員これだ」
(かっけーけど少し恥ずかしいな)
そう言いながら首の前で手を横に切って見せる。
目の前には二人ほど地面に座り込み痛そうに肩をゆすっている。
どうやらリーダー格は手を出さないことにしたようだ。
(なんだこいつ、どうやって倒されたのかわかんねー)
(絶対おかしいぞ、鉄パイプで殴られても平気なんて)
防御スキルがあれば相手の攻撃は全て見切っているのと同じ。
受け流しながら腕を掴みそして足を払うと、アーラ不思議 すってんコロンでお尻をしこたまアスファルトに叩きつけてしまう。




