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山の上

山の上


目が覚めたのはどこかの山の上、吹きすさぶ風が体中から体温を奪っていく。

肌に当る砂埃、今までに味わったことが無い違和感、花梨の五感が一気に研ぎ澄まされて行く。


「なんじゃー!」

「ピロン」

「ここどこ?」

「ここはヘブンスバースです」

「ん だれ?スマホから勝手に音声が…おまえが元凶かゴラ!」

「私はこのアプリゲームの解説者です、貴方がこの世界に来たのは偶然であり必然です」

「どういう意味だ!」

「AIアプリで写メしましたよね」

「AIアプリ?」

「そうです」

「そういえばそういう写真を最近見たような…」

「AI写真変換アプリ、ゴートゥーヘブン 又の名をゴートゥーヘル、実は名前はまだ無い」

「そんなこと知らんし」

「ご友人が勝手に撮ったのかもしれませんね」

「それでこれはどういう事だ!」

「そのアプリで写メると、ほぼ全員このアプリゲームの中に参加することになります」

「そんで?」

「あなたは鎮魂者として強制参加となりました」

「勝手に連れて来てんじゃねーよ、殺すぞコラ!」

「それができるのならすでに私死んでいると思います」

「そんで、ここは?これはどういうことだよ」

「それでは本題に移りますか?」

「無視かよ…」


山の上、気温は10度前後。

鏡が無いので自分の顔は見えないが着ている服装はどうやらトレーナーと半パン(ハーフパンツ)白い脚には鳥肌が立っている。


「それでは説明いたします」

「その前に、聞いていいか?」

「どうぞ」

「要するにAI写真変換アプリで写メる、と例外なく後日このゲームの世界に連れて来られるってことだよな」

「その通り」

「そんでヘブンス…何とかで」

「ヘブンスバースです」

「そのヘブンス何とかで、何すりゃ帰れるんだ?」

「この世界で死ぬか、又はクエストを100回完了するかのどちらかです」

「死ぬのが一番手っ取り早いな…」

「その場合現実世界でも死体となる可能性がございます」

「もしかして、あいつら皆この世界に…」

「ご友人の中に現実世界でお亡くなりになっている方がいらっしゃるのならば、その可能性が高いです」

「いや可能性じゃなくてそれしか無いだろ!」

「これ何処のドイツが運営してんだ?殺人だぞ!」

「それは私にもお答えしかねます」

「なんでオマワリは取り締まらないんだ?」

「それも私にはお答えできかねます」

「死なない場合もあるのか?」

「もちろん生きて戻ることもできます」


花梨は近くの岩に腰掛けると目の前の岩がゴロゴロした風景に目をやる、ちょっと見ただけでわかる。

この風景の完成度、まるで現実そのもの。

細く白い脚を組むといつの間にか手に持ったスマホに話しかける。


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