パパ活
パパ活
一時期流行った若者の遊び、いや遊びという範疇からは逸脱しており。
犯罪にもなりうる問題になったJKやJDが行う行為、援助交際の別名パパ活。
確かに悪い大人を懲らしめるのならば、そういうやり方が手っ取り早いとは思う。
パパ活を利用した美人局、おじさん達が全員悪いわけではない。
だが、若者はそんなことなどいちいち考えてはいない、今の時代を楽しく刺激的に生きるだけ。
そして悪いおやじを罠に嵌めてお金迄稼ぐ、これが一番てっとりばやく確実な方法ではないだろうか。
「どうするの」柚子
「3組に分かれよう」ノブユキ
「なんで?」花梨
「6人で歩くと目立つから?」マリカ
よくよく見ると全員が美形に近い、マリカは男装の麗人であり柚子と花梨は紛れもなく美人の部類。
そして有希は可愛い男子にしか見えないしアンナはどこから見てもナイスバディの女子である。
もちろんノブユキもかっこ良い部類、身長は180近くありスレンダーな割に筋肉質だったりする。
「そうかな~」アンナ
「自覚無いんだ」ノブユキ
「ほらあそこ、こっち見てるよね」有希
そう言われて街角で客引きしている黒服を指さす。
他にも数人の男子がこちらを見ては何か言いたげに仲間と話をしている。
「アンナは僕と一緒に行こう」マリカ
「え」
マリカがそういうと、確かにその組み合わせが一番よさそうだ。
有希は柚子とペアを組みノブユキと花梨がペアになれば。
何かアクシデントが起こったとしてもそれぞれがアプリ所持者と同行している形になる。
「確かにこの組み合わせが最適解だな」ノブユキ
「何か有ったら、スマホで連絡して」柚子
「OK」
別に花梨や柚子が街角に立って客引きをするというわけではない。
カップルを装って町を歩き、それらしい女子を見つけて動向をうかがう。
もしもおやじ待ちの女子を見つけたら連絡を取り合い尾行を行ってみる。
もちろん手出しはしないが、そういった場面に遭遇したら各自で対処するということ。
だが、事はそれほど簡単では無かった。
「あれってそうよね」
少し歩くと駅のロータリーが見えてきた、そこには数人の女子が人を待っているように見える。
中には制服姿の女子までいる、午後8時を回り制服姿で待っているのはおかしいと思うしかない。
「あれって?」
「可能性は高いな」
「塾の帰りって可能性もあるわよ」
「親を待っているかもってこと?」
「あり得るでしょ」
そう考えてみれば、おやじが声をかけても不思議ではない。
だが、こちらには地獄耳というスキルが有ったりする。
魔法ではなくスキルなので他人の話し声を聞き取るぐらいは簡単にできる。
要するに親子の会話ではなく、恋人や商売の話をしていたらそれはアタリという事だ。
「あ 電話」
一応夜10時までこの辺りを散策する予定にしてある、あまり遅い時間になると別の問題が発生するからだ。
「まだ見つからないみたい」
「そんなにすぐ見つかる分けがないよ」
「あ 来たね」
ターゲットに接触してきた中年の紳士、聞き耳を立てるとすぐにパパ活だというのが分かった。




