タクシーでホテルへ
タクシーでホテルへ
ちなみに今回の旅行、仲間内で知っているのは有希だけのはずなのだが。
電車のチケットやホテルの手配などの相談を持ち掛けたのは、そういう場所に詳しいと言っていたからだ。
タクシーから降りてフロントに向かうとそこには見覚えのある人物が3人も。
「おー奇遇だね~」
「マリカ!」
「柚子ちゃんも」
「僕もいるよ」有希
(まさかばらしたのか)
(ばらしてはいないよ、たまたま一緒っていうだけだよ)
「いやー、有希の計画でさ、ある事件を追ってみようって話なのさ」マリカ
「マジかよ」
「そしたら二人も同じ方向に来てるとは思わなかったよ」
(おいおい)
「もしかしてアプリの森?」
「そ そうだけど」
「私たちも」
「ここに来たらそれしかないよね」
「あー僕たちは邪魔しないからね」有希
「ごゆっくり」柚子
「ふふふ」
チェックインを済ませ、荷物を部屋へ運ぶとすぐにホテルからタクシーに乗りアミューズメントパークへ。
まさか3人が同じホテルに泊まるとは思っても見なかった。
いや今回のチケット、実は電車の格安チケットのパックを相談したのは有希だった。
「邪魔しないからね、ププ」
「えーい 面倒だし、どうせだからみんなで遊ぼう!」花梨
(えー)
邪魔しないとはいえ目の前に知り合いがうろうろしていては、デートなどと言うプロジェクトはその時点で予定変更にするしかない。
これでは気になってデートなどできやしないじゃないか。
怒ってみても後の祭りである、相談した相手が悪かったとはいえ。
皆に黙って抜け駆け的にお泊りデートを企画したのだから、しかも同じ方向に行くとなれば合わせてこられても仕方がない。
もしもの時に正規版アプリを持っている人物は俺と柚子しかいないのだから。
「それで午後5時まではアプリの森でみんなで遊ぶってこと」
「夜は町に繰り出す予定だよ」
「パパ活のスポットという場所を調べておいたんだ」有希
有希が満面の笑みで話し出す、まるでアクシデントがそこに有って欲しいとでも言わんばかり。
「そうなんだ」
「ノブ君もしもの時にはよろしくね」
「なんで俺?」
「あの世界では、どうなるのかなんてわからないでしょ」柚子
「確かに」
5人で回るアミューズメントパークは確かに楽しかった、花梨と二人でのデートよりもしかしたらよかったのかもしれないと思った。




