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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
シーズン2 エピソード4 魔王討伐
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片桐杏奈(アンナ)の場合

片桐杏奈アンナの場合


アプリの世界にとらわれたのは半年前、すでに東京の大学へと進学していたが。

冬休みを使い田舎へと帰郷していた。

そこは冬になるとあたり一面どこを見ても真っ白な世界。

何処に行くにも車が必要だが、彼女の実家がある場所は一応ソコソコ発展している街だった。


『みんなで会わん?』

『そうしよっか』


田舎に帰ると友人達3人で集まる約束をした、それは普通の友人同士の会話。

別にこの時は何も考えていなかった、3人は高校の友達であり同じ部活の仲間。

最寄りの駅から少しにぎやかな繁華街へと出るにも1時間がかかる場所ではあるが。

久々に帰ってくると東京とはまるで別世界だと感じる。


「久しぶりだべ」糸川萌(同級生)

「アンナも久しぶりだべ」

「ミリちゃんは?」

「したっけ遅くなるって」

「ふーん」

「彼氏連れて来るって」

「え~」

「あんたも知ってる人だべ」

「マー君?」

「たぶんそうだべ」


久しぶりに会う友人達、だがマー君こと豊川正彦には少し心配事がある。

彼は超たらしだからだ、高校の時もマー君と橘田巳理ミリちゃんは付き合っていたことを覚えている。

それなのにアンナにもちょっかいをかけてきたからだ。

そういえば一度マー君に襲われそうになって逃げたことがあった、たまたま通りかかった人に助けを求めたが。

あれから彼は自分には話しかけなくなった。

もちろんアンナからも話しかけないでいた、それは友人の彼氏だったからということもある。

あれから1年が経ち、皆が卒業して大学へと進学したアンナ。

確かミリちゃんも東京の大学へ行くって言っていた、萌は地元の大学だ。


「大丈夫かな~」

「なんかあったんでないかい?」

「マー君って、たらしだべ」

「したっけアンナも?」

「萌も?」


そう返すと首を縦に振る、要するにソコソコ可愛い子や綺麗な子は、一度は彼にモーションをかけられていたという事。


「あたしは勉強一筋やったし」

「そうなんだ」

「あんたは?」

「ううん 別に何も」


襲われそうになったなどとは口が裂けても言えない、しかも今はミリちゃんこと橘田さんと付き合っていると知ってはなおさらだ。


「えーとこの店だべ」


待ち合わせた店は有名な焼肉屋さんでありジンギスカンが名物だ。


「いらっしゃいませ」

「こちらへどうぞ」


3人で予約を入れたのだが、それを4人に変更して待つこと数分。

同じ東京へと進学するために出てきた割にはオトナシめ、のアンナとは違う雰囲気のミリちゃん。

そしてその隣にはマー君がわずかににやけた顔をして挨拶をする。


「おー来た」

「なまらひさしぶり」

「俺の事分かる?」

「分かっぺさ、マー君だべ」

「そうそう、そんで俺達付き合ってんだ」

「あー分かったから座って」萌

「聞いたよ、アンナもマー君を狙ってたんだって」

(今それをいう!)

「そんなことねーべ」

「あはは」


久しぶりに会ってのっけから対抗馬つぶしとは、しかも同級生であり友人だったはず。

それが半年でこうも男の口車に乗ってしまうとは思っても見なかった。


「ほらもう焼けたべ、あーんして」


目の前でかいがいしく世話を焼くミリ、それを見てやれやれとため息をする萌とアンナ。

終始お熱いところを見せられて数時間、会計を済ませて外へと出る。

ミリと萌はトイレへと行くがマー君はというと。


「明日いっしょに遊ばん?」

「いや、あなたとは遊ばねーし、ミリの彼氏になったんだべ」

「いや 彼氏までは行ってないべ、遊び仲間だ」

「本当?」

「本当だ、だから明日もミリと一緒に3人で遊ばね?」

「それなら大丈夫かな…」


まあそれは嘘だと分かってはいたが、ミリちゃんは友達なので一度マー君のことをきっちり伝えておかないと、と思い3人で遊ぶことを約束した。


「しばれるね、次行こ」


時刻は既に9時を過ぎたがせっかくだからと4人でカラオケへと行くことにしたのだが。


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