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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
シーズン2 エピソード4 魔王討伐
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神代未来は予備校通い

神代未来は予備校通い


あの事件から約2週間、柚子はどうやって未来を発見したのだろう。

あの世界から帰還したとしても、帰還した時点ではヘブンスバースでの記憶はないはずなのだ。

だから未来の住んでいた場所や年齢、家柄や趣味などを覚えておいて調べなければならない。

神代未来は受験生だったはず、それも1年以上前だったというのならば。

生還した場合はどの時点で生還したのだろうか?

秋元マリカの場合、彼女は病院のベッドで生還を果たした。

しかも気が付いたのは半年後、要するに俺達がデータを持ち出し帰還した時に目を覚ましたことになる。

だが神代未来はあの世界にとらわれてから1年以上という年月が経っている。

柚子からの情報だと、調査は難航しているということだったはず。

それが今日になって本人が目の前にいるのだから、難航しているという話は嘘だったのか。


「ねえ、神代さんって人知らない?」

「いいえ」


彼女の住む地区は都心からは少し離れていたが、そこまで行くのにさほど苦労はしなかった。

柚子が住んでいる町から電車で20分程度。

1年以上前、受験生だった未来は頭脳明晰容姿端麗、誰もが振り向く女性だ。

探すのにそう時間はかからないはずだった。

実は未来、実際には数日で帰還したことになっていた、というのも善行LV20で正義の塊である未来。

魔の女帝というスキルを手に入れたことで、あの世界での死亡も現世への死に戻りもあり得ない、これらの設定は魔の女帝を手に入れた時点で免除されるらしい。

その当時の概要はこうだ、いじめをかばった現場からはヤクの売人が半死半生で発見されている。

未来は血だらけでさまよっているところを警官によって発見され数日間病院に入院。

その後彼女は自分が表に出ると友人たちに迷惑が掛かるということで、受験はせずに1年留年することを選択したらしい。

もちろん売人に踊らされた友人達の数人は薬物中毒や交通事故などによって事件後に死亡していたりする。

未来が柚子に教えた住所には確かに大きな門構えの家があり、防犯カメラが2つ以上設置されたいかにもと言える屋敷があった。

だがそこからが難しい、なかなかアポイントが取れなかったそうだ。


「ピンポン」

『うちに何の用だ』

『神代未来さんに頼まれたんです』

『伝えておくから今日は帰んな』

『ブツッ』

『あ まって』


門の横にあるインターホン越しにドスのきいた男との会話。

普通の女子ならビビッてしまい声さえ出ないだろう。

だがめげずに数日通ったのが功を奏した、外見の雰囲気もあったのだろう。


「お嬢、友人らしき女の子がまた来てますが」

「どんな子?」

「外見はお嬢と似てますが」

「私の友人にそんな子はいないはず」


確かに他の女子はおとなしい眼鏡をした女子や、普通の体育会系の女子が多かった。

自分と似た女子はほとんどが近寄ってこなかったし、話すのも遠慮していた。

それは自分と関わると目立つ子はターゲットになり易かったから。

体育会系の女子はそれほど付き合わなくて済むし、勉学系の女子は読書で忙しい為あまり人の家庭に深入りしてこないからだ。


「通して」

「へい」


そこからは、割とすんなり事件のことや知らないはずの情報を聞いて信じてもらうことができた。

だがデータのやり取りは子分たちに囲まれた部屋で行われた。


「わしら、一蓮托生じゃ、何かあったら先代に申し訳が付かない」

「そういうことなんだけどいい?」

「…」

「大丈夫よ、皆口は堅いから」


未来がそういうとこわもての男達はそれぞれにうなずく。


「分かりました、ではスマホを起動させて」

「ピカッ」

「うおっ」

「お嬢大丈夫ですか!」


目の前で見なければ分からなかっただろう、柚子が言っている話が嘘か誠か。

神代家は代々続くこの地区の興行を取り仕切っている893である。

今で言うイベントや祭りを主に取り仕切る、現在は土木関係の会社も運営しており。

由緒正しい家柄だという。


「大丈夫よ、皆」

「不思議なこともある物ね、確かに受け取ったわ」

「あなたはこれからどうするの?」

「それほど変わらないわ、それよりあなた達はどうするの?」

「このアプリの出どころを探るつもりよ」

「私の勘だけど、気を付けてこういう物にはかなり大きなバックがいるはずよ」

「肝に銘じておくわ」

「あ そうだお友達登録しておきましょう」


データを展開させたとたんに眩い光があたりを包む、屈強な男達でも一瞬何事かと思うだろう。

だが未来は微動だにせず男達に微笑むと右手で制する。

外見にはそれほどの変化はないが、以前よりやや大人びたその微笑みには自信があふれていた。


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