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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
シーズン2 エピソード4 魔王討伐
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合コンという名の地獄

合コンという名の地獄


数日後、俺は花梨と一緒にミツル主催の合コンへと足を運んだ。

参加するのは柚子と明菜そしてミツルと夏生そして秋元君だけだと思っていた。


「全員会ったことがあるから心配しなくて大丈夫だよ」

「そうなんだ、ということは柚子ちゃんとか秋元君たちかな」

「そうそう」


甘く考えていた、そういう可能性を全くと言っていいほど俺は頭の隅にすら考えたことなど無かったからだ。

合コン当日、その日は土曜日でありバイトは俺も花梨もお休みすることにしてあった。


「おまえら、お似合いじゃね」ミツル

「私たちもね、ダブルデートみたいね」夏生

「いいじゃん、こういうのも」花梨


まさか彼氏と彼女(仮)が仮ではなくなってしまうとは思っても見なかったのだが。

まさかそれが返って裏目に出てしまうとは。


「いらっしゃいませ」


ここは大手居酒屋であり、以前にも合コンで使ったことがある。

その時は大学の先輩も参加していたが、なぜこの居酒屋を使用するかというと。

ミツルが以前アルバイトをしていた場所であり。

まあ要するに顔が利くので人数が増えると社員割引のようなものが使えるという。

そういえば前回の時は秋元君が全部支払ってくれたのだった。


「こちらへどうぞ」


ミツルの名前を伝えると、パーティルームへと通される。

そこにはどこかで見たことがある女性が4名、一人は髪を短く切って精悍な顔つき。

一人はどこかのモデルと見間違うような美麗な雰囲気を醸し出している。

そして3人目がまずかった…


「主様~」アンナ

「は?」

「何?ノブ君知り合い?」

「まさか…」

「とりあえずこれで全員集まった所で、挨拶していない人は紹介して」

「あたしは山口花梨、空手2段ヨロシク」

「えーと…」ノブユキ

「ノブユキ様」アンナ

「なんで、知ってんの?」

「少し前にお会いしましたよね」

「…」

(なんで彼女がここに)


そう、あのアプリの世界から記憶を持ってこられる人間は限られている。

俺と柚子のように正式版のデスアプリをスマホの中に所有している事。

そしてそのアプリによって自身のデータのコピーを渡された者。

この2つの条件が無い限りあの世界の情報や記憶を持っている人間はいないはずだった。

そして髪の毛を短く切りそろえた女性が一人。


「君はもしかしてマリカちゃんだよね?」

「正解だ」

「貴方が?マリカ」花梨

「花梨ちゃんよろしく」


そう秋元君の親戚であり同じ年の大学生、いや今は浪人生なのか。


「そうなんだよね、一応高校は卒業したけど記憶を失って受験はパアになったからさ」


外見はいつの間にか男装の麗人になっているマリカ、彼女を知っているのは俺と花梨そして秋本君だけ。

そして後の二人は…


「神代未来よ、二人は面識があるわよね」

「おい柚子ちゃんの紹介だっていうからOKしたけど、どこの人?」ミツル

(芸能人か?)

「えーと」

「柚子ちゃんの友人です」


そう言ってにこりと微笑む、あの世界だからこそそれほどプレッシャーを感じることが無かったのだが。

データを受け取るとアプリの世界から成長データを引き継ぐことができる。

つまり彼女は神代未来ではあるが、以前のカミシロミクとはほぼ別人になっていてもおかしくない。

1年以上もあの世界で魔族のトップに君臨していた彼女、もちろん各種のスキルや魔法のデータを現世でも使用することが可能なはずだ。

実は今回の合コンの際、柚子からはサプライズがあるとだけ聞かされていた。

(知り合いを二人ほど連れて行くから)

知り合いと言われただけでそれが誰とは聞かされていなかったノブユキ。


「明菜ちゃんは?」

「あの子は今回呼んでいないわ、あの事件でご両親が心配したらしくて」

「あ~そうだよね」

「相当しっかりした場所でないと外出許可が出なくなったのよ」


ライブハウスの火災事件、助かったからそれでOKとはいかないのがお金持ちの家庭のご息女という彼女。

危険な場所、特に繁華街や安全が確保されていない場所への外出は禁止されてしまったらしい。


「というわけなのよ」

「それは仕方ないよな」

「あたしはいつでもOKだからね、ノブユキ様」

「…」

「ノブ君ちょっと来て」

「え?何」


10人が座れるパーティースペース、俺の隣に座っているのは花梨だけではない。

いつの間にかアンナが花梨とは俺を挟んで反対側に座り肩を摺り寄せて来る。


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