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デスアプリ(帰還できるのか…悪事を裁くのは誰だ!)  作者: 夢未太士
シーズン2 エピソード4 魔王討伐
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ライブハウス(ゴーチューヘブン)

ライブハウス(ゴーチューヘブン)


帰還シークエンスは前回と同じだが、今回の出来事は前回とは全く違う経緯による出来事。

信之や柚子でさえちゃんと帰還できるのか分からなかった。

ただ勇者として召喚された状況から、どんな状態で帰還するのかぐらいの予想はついていた。


「ゲホッゲホッ」

「シャー」スプリンクラー

「なんだこれ!」

「おい、ミツル起きろ!」

「なんだよ!」

「ゲホゲホ、嘘だろ!」

「やっと目を覚ました、逃げるぞ」


どうやら気を失っていたのか、それとも眠っていたのか。

周りには煙が立ち込め、天井からスプリンクラーとみられる装置からシャワーのように水がまかれている。


「皆すぐ逃げるわよ」柚子

「ゲホッケホッ」


煙が立ち込めているために、周囲がどうなっているのか分からない。

どうやらライブハウスの会場で火事が起こったようだ。

バンドがいた場所からはかなりのほのおが立ち上っているようだが、煙のせいで火の勢いまでは分からない。

信之はミツルを起こすと周りにいる女子数名を抱きかかえ、さらにミツルの腕をつかみ出口へと進んでいく。

柚子も同じく数名の女子を立ち上がらせ出口へと誘導している。


「しっかりして」ゆず

「私は大丈夫よ…」明菜


十数段の階段を上り地下から煙と共に這い出すと、その先には沢山の野次馬が集まっていた。


「ウ~~」

「ピーポーピーポー」

「ウ~~」

「あそこまで歩くぞ、しっかりしろ」

「な 一体 どうなった?ゲホッゲホッ」


地下のホールから数十人がやっとのことで建物から10メートルほど離れた場所までふらつきながらも歩いていく。

振り返ってみるとビルの地下テナントからモウモウと吹き出す煙が見える。

まだ少し中が燃えている可能性があるのだろう、あの場所からよく逃げ出してこられたなと思う。


「顔が真っ黒だな」みつる

「お前もだろ」ノブユキ

「これで顔拭いて」ゆず


手渡されたのはウエットティッシュのようなもの。

既に彼女は顔を拭き終えたのか、髪も服も濡れておらず、あの煙の中から出てきたにしてはきれいすぎる。


【魔法よ、あまり見ないで】

【マジか】

「それにしても欲張りすぎじゃない?」


よく見たらノブユキは女子を3人も抱きかかえ背中にも一人背負っている。

そういう柚子も3人ぐらいの手を引っ張り煙の中から脱出してきたらしい。

俺達以外にも数人が路上でむせ返っていたりする。


「大丈夫か!君たち」

「ええ何とか」


声をかけるのは近くの派出所から駆け付けたであろう警察官。

どうやらあの世界から帰還できたようだが、この状況は考えていなかった。


【ライブハウスの火事ってことにしたのね】

【そういう設定か…】

「とんだ災難だな」

「もう二度と地下とライブハウスは御免だわ」


俺が連れてきた女子4人、そして柚子が手を取って逃がした3人。

他にも数人の客が俺達の後を付いてきた、よく見ると彼女らは勇者AチームとBチーム。

そしてクズ勇者のCチームにいた女子達、もちろんBチームの男性たちも数人が歩道に座り込んでいる。


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