帰還シークエンス
帰還シークエンス
時系列はほぼ同じなのだろう、勇者Bグループはダンジョンの中で一息ついていた。
各自が自分の状態を確認し癒術士が一人ずつ魔法で傷をいやしていく。
「後はいない?」
「もう大丈夫そうだ」
「これからどうする?」
「外に出て魔将軍をやっつけるしかないのか?」
【魔王が退治されました:これより帰還シークエンスが始まります】
「魔王を倒したのか!」
「Aグループがやったのか」
「鑑定」
「善行LV50以上」
「皆、鑑定で善行LVを確認してくれ」
「私はLV45」
「俺もだ」
「やった無事に帰れるぞ」
魔将軍の討伐は討伐した者でなければナレーションを聞くことができない。
もしも討伐しないことによるデメリットが他の勇者に表示されていた場合は。
そのクエストは保留またはキャンセル扱いになり、そのまま現世へと変えるためのマイナス条項は施行されない。
【魔王が退治されましたこれより帰還シークエンスが始まります】
「ま おう…」ミツル
せっかくいいところまで勝ち進んでいたCグループの勇者達、敵の魔将軍2人を倒せばほぼ完ぺきというところだったのだが、そううまくはいかなかったようだ。
確かに彼らクズ勇者に4人もの魔将軍を討伐できる強さは無かった、2将軍を倒せたこと自体奇跡と言って良い。
そしてCグループの勇者5人は魔将軍に捕まってしまうのだが、Aグループの活躍によってピンチを脱することになる。
「魔将軍様」
「なんだ?」
「魔王様から帰還命令です」
「なんだと!」
せっかく仕留めた勇者をこれから料理して食べる所だったのだが。
魔将軍の夢ははかなく消え去ってしまった。
※殺してしまった場合には勇者を食べることはできない、勇者は死ねば現世へ戻ることでこの世界から消えるからだ、だが生きながらにして部位をかじる(一部を食す)ことは可能だ。
絶体絶命のピンチだったのだが魔王からの命令は絶対であり、その命令を破ることはできない。
「仕方がない、取り敢えず全員檻に入れて持ち帰ろう」
「ジュルリ、お預けか仕方ないな…」
そして魔王城では勝利したAグループがそれぞれ帰還の条件を見て話し合っていた。




