魔王女サリーナ
魔王女サリーナ
角さえ生えていなければ美魔女に見えるだろう、どうやったらこの父親からこんな美形の兄妹が生まれるのだろう。
ゲームの中とは言えそれは、はたから見ればうらやましく感じるかもしれない。
「来ないの?それならばこちらから行かせてもらうわ」
「ビシュン!」
「バシュン!」
手に持っているのは多分、鞭のような武器。
だがその長さが普通とは違う、まるで途中から長さが伸びるように柚子の顔面目掛けて
襲いかかる。
もちろんその鞭には棘のような細かい突起が無数に付いている、少しでもかすれば皮膚などずたずたになってしまうだろう。
「こそばゆいわ」
「醜いだけかと思ったら面の皮も厚そうね」サリーナ
「あなたほどではないわよ」
「言うわね」
「私はこれがスタンダードよ、あなたの方が無理しているんじゃないの?」
「言わせておけば…」
「ビュシュンビシュン」
「パシン」
「うっとおしい」
「放せ」
「いやよ」
「スパーク!」
「バリバリ」
「アースグラウンド」
どうやらサリーナの最初の魔法は電撃らしい、だが柚子に対して魔法は殆ど通用しない。
彼女は魔法を覚えるに当たってその対処法迄熟知している。
電流を地面に流してしまえばその魔法は無効化される。
「く!」
「甘いわ、アースクエイクからのグラウンドタイプマーシュ!」
「グラグラグラ、ムニュムニュムニュ」
「ウッ」
「地中に沈みなさい」
これでは逃げることもできやしない、そして追撃の魔法として底なし沼へとサリーナの足元をドロドロに溶かしていく。
「た!」
「あなたサシの勝負で助けを呼ぶんだ?」
「う うるさい!」
「まあいいわ、死になさい」
「キャー」
ストレージから取り出したのは、見るからに重くそして大きなハンマー。
それを大きく振りかぶると床(沼)にはまって身動き取れないサリーナに振り下ろす。
「ドゴーン」
「あら」
どうやら気を失ってしまったらしい。
「契約に法り我が奴隷となれ」
「シュワワー」
どうやら柚子はサリーナを殺さない代わり奴隷にする魔法を使用したようだ。
だがサリーナを奴隷にしても現世へは連れていけないのだが…




