奴隷商人(ドングリコ)
奴隷商人
明菜と美里、そして美咲と祥子と純がホストクラブへ。
そして美佳とアンナ、奏と多香子そして碧奈が他のお店を探しに、さらに町を見て回ることになった。
「真面目ちゃんたちはホストクラブの方がいいかもね」
「でもあの店大丈夫なの?」奏
「あの店はこの辺りでは一応優良店だったはず」アンナ
「経験者は語るってか」美佳
「そういうあなたはどうなの?」
「高校生が経験しているわけないっしょ」
「今どきはそうでもないって聞いたけど…」
地下クラブへ出入りしてバンドを追っかけしていた友人がいた美佳、ある程度は経験していると思われる。
「まあまあそんなこといいじゃん」美佳
「とりあえず他にいい店は無いの?」多香子
「う~ん」
いくら魔族の召喚士として魔王の性奴隷となっていたとしても町を細かく散策したことは無かった。
この町へは友人の甘い言葉に誘われてついてきただけであり、彼らに自分の行く末を任せてしまった事がそもそもの間違いだった。
宿を取る所まではうまくいったが、全ての装備と荷物を友人2人に渡してしまったのがそもそもの間違いだった。
彼らはそれをお金に換えただけでなく、アンナを魔族の奴隷商に売り渡してしまった。
あれから数か月、友人2人がどこにいるのか、友人を売り渡したお金で遊び歩いているのだろうか。
「ねえ、あたし行きたいところがあるんだけど、いいかな~」
「どこに?」
「奴隷商」
「なんで?」
「もしかしたら私のように売られてしまった流魂者がいるかも…」
「助けに行くつもり?」
「うん」
「いいんじゃない」
「クエストってお店ならどこでもいいんだよね」
道を歩いているとそれらしき建物が見えてきた、店先には2つほどの檻がおかれ、小型の魔物が捕らわれている。
「なんだ お前ら」
「女ばかりじゃねーか」
「ひっ!」碧奈
「なんだじゃねーし、客だっつーの」美佳
「あ?」
「おい、ごにょごにょ」
(女ばかり5人、うまくだまして奴隷にしようぜ)
番頭をまかされているらしい魔族は手のひらを返したようにニヤけた顔をする。
「どうぞ~」
「おまえ聞こえてっぞ」
「変な事したらお仕置きよ!」奏
既に魔術士や癒術士としてLV80近い5人、スキルも10個以上手に入れた彼女らは外見こそ普通なのだが、目の前の魔族2人が手を出せないぐらい強くなっている。
奴隷商、この世界では魔族だろうが人族であろうが奴隷になることがある、そうならない為には強くなることがすべてだ。
「社長、お客様です」
「今行く」
店構えは立派だが、中に入ると大小様々な檻が所狭しと置いてある。
店は奥に長く続いており、奥へ行くほど獣臭と汚物臭が鼻を突く。
「本日はご来店ありがとうございます」ドングリコ
「奴隷を見せてくんない?」
「奴隷ですか?うちはお金を確認してからでないとお見せできませんが…」
「これでどうよ」
ストレージから金貨100枚入りの袋を取り出し数枚を手に取る。
「おー、確認いたしました、どのような奴隷をお望みですか?」
「人」
「人?魔族や魔獣ではなくて?」
「要するに人族です」
「なんだ、男妾にでもすんのか?」
「ちげーよ」
「別に男じゃなくても構わないわ、人族であればね」
この時はまだ分からなかった2か月以上前にアンナを騙した二人がまさか奴隷になっていたとは。




