タワフルの誤算
タワフルの誤算
剣士としてのLVは既に140を超えている、職種LVは合わせて300近く迄上がっているノブユキ。
いつの間にかATは1万近くまで上昇しているため、まだ試していない攻撃があった。
(こぶしで殴ったらどうなんのかな?)
剣を使えば当然のことながら攻撃力はアシストされて倍近い2万ぐらいにまで上昇するのだが。
目の前にいるわがまま野郎は物理攻撃しか認めないという。
別に付き合ってやる必要などは無いのだが、根が真面目な信之はその申し出にうなずいてしまった。
タワフルのスキル実は物理攻撃無効化とはいえ武器によっての攻撃に限られていた。
「少し待ってろよ」
「何をしてる」
「だから準備体操をだな」
「武器を使わないのか?」
「お前が物理攻撃って言ったんだろ」
物理攻撃、剣や槍を使った攻撃も物理攻撃だが、この世界の上級武器はいくつかの魔法やスキルを付与されている場合が多い。
要するにそれは物理100%ではないということになる。
だが武器の攻撃ではなく拳での攻撃ならば彼の持つ盾もその威力を躱すことができないのだ。
剣や槍を使わず取り出したのはお守り、と言っても腕輪のような装飾品。
その力は素手で攻撃する時に体全体をガードするという物。
「お前武器使え」
「やだよ、一度言った言葉をひっこめるなよ」
「うぐ」
(おれ負けるのか)
「いくぜ」
「ドーン」
「バガン!」
「ドスン」
タワフル自慢の盾には大きな穴が開き、そして突き抜けたこぶしの威力はタワフルの体をへし曲げた。
【魔将軍タワフルを倒しました防御無効化のスキルを取得しました、いくつかのスキルが加算されます、各パラメーターが上昇します、拳闘士の職を手に入れました】
「おー新しい職種ゲット」
剣士の二次職はバラエティーに富んでいる槍術士や棒術士もそうだが体術士や拳闘士もその中に含まれている。
要するにパワー系の職種は多種多様になっているようだ。




