未来の相手
未来の相手
信之と柚子は魔将軍に戦いを挑まれ即対応するが。
未来の相手は目の前にいる女帝相手に体が動かなかった。
「お おまえ」
「お前なんて名前じゃないわ、未来よ ミク!」
「からだが…」
「私の言うことは絶対らしいわね、あなたは私にはかなわないわ」
その目で見つめられた魔族は一切の攻撃も動きも止められてしまう。
魔の女王というスキルは魔王でさえ傅かせる最強のスキルだった。
「あなたは私ではなくあそこにいる二人が倒してくれるわ」
「な なんで?」
「そういう運命らしいわね」
魔族側で活動していたがために、自分より弱い魔族を倒せというようなクエストは一切出なくなったらしい。
その代わり魔王の后を懐柔しろとか、魔王の后を増やせとか後宮を拡張せよとか。
そういった内政クエストがいくつも追加されてきた。
ちなみに100クエストは既に終えて、現在のクエストは347個クリアしている。
現世へと帰ることをためらったがためにこうなってしまったのだが。
もちろん今回の魔王討伐クエストで未来も現世へと帰ることができる。
「裏切り者!」
「裏切る?違うわよ、私の仕事は後宮の維持と繁栄だもの、魔族を殺さないことではないわ」
「見捨てることは、殺すことだろう」
「違うわ、元々の私は悪即断よ、そこに魔族も人も関係ないわ」
「俺達が悪だと」
「私にとってあなた方はどちらでもないけど、あの二人には悪というわけよね」
「助けてくれ!」
「それはできないわ」
身をよじり未来から逃れようと必死になるポプラ。
今まで得てきた知識によってこの状況の打破を考える。
目の前の女帝未来は別に攻撃しているわけではない、彼女のスキルによってポプラの攻撃が止められてしまっているだけ。
「ようやく分かったみたいね」
「くそー」
そう彼は攻撃を止めて逃げ出した。




