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現れたのは

現れたのは


魔王が出てくると思っていたのだが、どうやら魔王は何かの魔法を使うのに集中しているらしい。

代わりに魔将軍が3名、男子禁制なはずの後宮に入って来る。

普段は絶対に入ってこられない場所なのだが、どうやら俺と柚子の匂いを嗅ぎつけたらしい。


「臭いな、人間の匂いがする」ポプラ

「おいおい、なんで後宮からそんな匂いがするんだよ」ゼブラ

「そういえばこないだ王妃もくさかった」

「あれは魔族じゃなくて魔獣だ、お前のペットだっただろう」

「そんなことは忘れた…」

「魔王様も手を出せない、強い女、魔王大好き」タワフル

「とにかく臭いなら調べるぞ」ゼブラ

「こっちだ」


鼻が利くと言う事か、魔将軍ポプラは五勘に優れているらしい。

その匂いを記憶して対象の危険度を知ることができるらしい。

確かに俺と柚子が無臭だということは無い、逆に魔族よりいいにおいがするだろう。

昨日は全員柚子のお気に入りのバスソープを使用して洗いっこしたのだからなおさらだ。


「お待ちください」

「俺らは魔王に許可されてんだが」

「この奥は後宮です、男子禁制です」

「だまれ、殺すぞ」

「まあまあ、大丈夫だから俺達将軍、わかるよね」

「分かっています、ですが」

「じゃあ死ぬか?」

「ヒィ!」

(人を制しといて結局自分でも脅してるじゃねーか)

「どうせ俺達止められない」

「いこうぜ」

「ああ」


3将軍は制止する女中の手を振り切り奥へと進んでいく。

当然のことながら、その先は女の園であり。

薄着の女魔族たちが沢山いる場所でもある。


「おお~いいね~」

「お前は何見てる」

「猛けるぜ」ゼブラ

「よそ見してると敵が逃げるかもしれないぞ」

「仕方ないだろ」


ゼブラ将軍、見た目は馬面ではあるがその体つきは筋肉隆々、自慢の足はまるで3本に見えるが1本は足ではない。


「そんな暇はないぞ」

「分かってる!」

「この先…」


奥へ奥へと進む3将軍、ひときわ大きな扉を開けるとそこには魔王の后が数人くつろいでいた。


「何の用です!」

「ここに獣が紛れ込んだという知らせが届いた、調べさせてもらうが良いか?」

「ここは後宮です、あなた方は分かっているのですか?」

「魔王からも許可が出ている、后だとしても止められないぞ」

「仕方がない皆さんここから出ますわよ」

「いい尻だ」

「パシン!」

「無礼な!」

「ここじゃないのか?」

「いや、この先だ」


魔王の后は現在3人、その3人をまとめているのが未来。

魔の女王というスキルを持ち魔王の后をまとめていた、いつの間にか后達の相談役に収まっていた。

後宮のさらに奥へと進む3将軍、だがその奥へと通じる扉の前で動きをピタリと止めた。


「体が…」

「そこに直りなさい」

「これが女帝の力か?」


いつの間にか扉が開きその奥には魔王が恐れる召喚者の一人が立っている。


「何の用です」

「我らは後宮に入り込んだネズミを探しに来た」

「それは俺らのことか?」

「何者!」

「勇者?」首をかしげるノブユキ

(前にもこんな感じのことしたような…)

「ちょっと、遊んでる暇なんてないのよ」柚子

「お約束だろ」

「緊張感がないわね」未来

「ごめんなさい」

「くそ」

「マジックパージ!」

「バリン」

「ドガン!」

「ギャリン!」

「シュシュシュー」


ポプラの魔法で未来のスキルが一瞬無効化されたようだ。

そのすきを狙ってゼブラとタワフルがノブユキと柚子に襲い掛かる。


「パワーは中々だな」

「おまえ強そう」

「ねえノブ君こいつの何?」

「でか!」

「ブルンブルン」

「ヒャッハー」

「とりあえず切り刻んであげるわ」

「ビシュシュ」

「おっと、そうはいかねえぜ」

「逃げるのは早そうね」

「この体を見ればわかんだろ、殺される前に一発やらせてくんねーかな」

「あ バカ柚子を怒らせたら大変なのに…」

「グラビティプレス!」

「グオ!」

「これで逃げられないでしょ」

「何のこれしき」

「ググ」

「ドスン」

「ギャー、何すんだこのアマ!」

「汚らわしい3本目を踏みつけただけよ、これ見よがしに前に出して見せるなんて踏みつけてほしいってことでしょ」

「ドンドン」

「ギャーヤメテ ヤメテクレー」

「ほら言ったことじゃない」

「お前、余裕」タワフル

「ああ余裕だよ、だからお前は動けない」

「俺、固いだから簡単にやられない!」

「アナライズ、防御スキルか ならば魔法でやるか」


ゼブラは3本目の足(長いあそこ)を踏みつけられ、いつの間にか棒のようなもので地面に縫い付けられてしまっている。

柚子が足で踏みつけるたびにノブユキまでなんとなく股間がおかしくなりそうになるが。

気を取り直して目の前の敵へ魔法を使おうと手を突き出す。


「させない」

「ガン」


何処から出したのかその盾は大きくそして重そうだ。


「魔法効かない」

「それは魔法の種類によるだろ」

「フライ」

「俺の体…」


攻撃魔法は盾で防がれてしまうだろう、だが本人を浮かせてしまえば盾では一部しか守れなくなる。


「ダークボム!」

「ドカン!」

「おお まあまあの威力」

「お前ずるい」

「どこが?」

「おれ後ろ守れない」

「弱点を攻めてどこが悪い?」

「お前卑怯!」

「わがままな奴、せっかく魔法をいろいろ試そうと思ったのに」


信之が最初に手に入れた各魔法の上級版は既に30種を超えている。

その中にはかなり危ない魔法も含まれているが、ここまでの魔族相手ではあまり使用していなかったりする。

一発で倒すと仲間のLVを稼ぐことができなかったからだ。

だが今は違う、上級魔法を遠慮しないで使用できるのだから。


「お前魔法じゃなければ大丈夫だと思っているのか?」

「卑怯者には負けない!」


信之は魔法を止めて懐から何かのお守りを取り出した。


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