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Bグループの覚悟

Bグループの覚悟


両開きの大きな扉を4人で押し広げていく、中は真っ暗ではあるが。

数人はスキルのおかげで何とかその暗闇でも部屋の奥まで見通すことができる。

そして9人全員で入っていくと、大きな扉が閉まっていく。


「ギギギー」

「くそ、閉まる!」

「さっきまで開いてたのに…」

「嘘だろ開かないぞ」


閉じ込められた、そう思った九人だったが。

目の前には巨大な岩の塊が見えているだけ、暗いのでその岩が何なのかも解りづらい。


「気を付けろ!」


いつの間にか勇者のBチームは丸く陣形を取って戦士を十字に配置し、中に魔術士と癒術士を配置する。

これまでの戦いで一番効率が良かった位置取りだ。

だが勇者Bグループはこの戦いに勝つことがどれだけ難しいかを思い知らされる。


「なんだあれは」

「動き出したぞ」


大きな岩の塊だと思っていた、家より大きくそして全体は岩のような外郭に覆われていた。

動き出すまでその全容がわからなかったが、ようやくそれが何なのか?分かった。


「竜!」


大きな岩の竜、翼は無いが胴回りは10メートル以上。

動くたびにパラパラと外皮が零れ落ちるようだが、頭を上げると大きな雄叫びを上げる。


「ギュアーギアー」

「う!」


全員の耳に聞こえる竜の鳴き声は威嚇の攻撃であり、精神を蝕むデバフだった。


「うわー」

「体が重い」

「何これ?」

「腕がしびれる」

「キュア」

「シュワー」

「あわてるな、敵はデカブツ1匹だけだ、俺と鈴木さんがタンクをやる、魔法職は遠距離攻撃」

「箱崎さんいけるか?」

「俺が遊撃するのか?」

「ああ 君が一番攻撃力が高い」

「分かった」

「後は守りながら攻撃」

「はい」


だがデカブツ1匹だと思っていたところに何かが沸き上がっていく。


「ゴゴゴゴゴ…」

「おいおいそれはないだろ!」


周りの壁から浮き出してくる岩の人形、大きさは人間と同じぐらい。

だがそれぞれに武器を持ち、こちらへと向かってくる。

全部で10体。


「あれも倒すのか?」

「それしか生き残るすべはなさそうだ」

「来たぞ!」

「ガイン!」

「バシン!」

「グアー」


岩のゴーレムが攻撃をしている間、巨大な竜は襲ってこない。

まるでゴーレムが倒されるまで待っているかのよう。


「あの竜、攻撃してこないな」

「何かを待ってるのか?」

「ガイン」

「バキン」


岩のゴーレム10体は数分で殲滅が完了する。

だがその後岩の竜が大きく威嚇の叫び声をあげると、尻尾を鞭のようにしならせ部屋全体に攻撃を仕掛けてきた。


「バキバキバキ…」

「よけろ!」

「キャー」

「グ!」


岩の竜、体の長さと同じぐらいの尻尾を持つ、その尻尾が俺達に向かって払われる。

油断をしていた数人が間に合わずに、岩の攻撃をもろに直撃を受けてしまう。


「バン!ドン!」

「うう…」

「ヒール」

「大丈夫か?」

「回復が追い付かない…」

「おいおいまたかよ」


岩の竜が尻尾攻撃をした後、なんと壁からまたゴーレムが10体現れた。


「まだ続くのか…」

「どこかに突破するヒントがあれば…ん?」箱崎

「川村さん、少し頑張れるか」

「何か見つけたのか?」

「あいつの後ろ」

「なんだ、石碑?」


岩の竜がいるその真後ろにちらちらと見え隠れするのは石碑のようだが。

箱崎のアシストされた目にはそこに文字が刻まれているのが見えていた。

このまま攻撃を受け続けると守るだけで終わってしまう、何とかこの状況を打開しないと全滅してしまうだろう。

いくら善行LVが40を超えたとしても簡単にやられていいわけがない。


「あの石碑を調べてみる、その間を頼む」

「分かった」


岩のゴーレム10体が攻撃している間は岩の竜は攻撃してこない。

その間に石碑を調べて何とかこのクエストの攻略方法を見つけなければならない。


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