勇者候補Cグループ
勇者候補Cグループ
魔剣士ロモコを先頭に、馬車に乗り込んだクズ勇者達。
先行する2組の勇者から遅れること5日、ようやく彼らも実戦投入されることが決まった。
「大丈夫ですか?」ローラ
「大丈夫だ」ミツル
心配そうに顔を見る従者になったローラだが、彼女は姉のロモコと同様少し変わった女性のようだ。
姉に頼んでミツルの従者になることは最初から決まっていたのだが。
彼女には秘密がある、いや彼女と言っていいのだろうか。
ミツルがロモコの部屋へ行ったときに一服盛られたのは分かっていたが。
その後自分に何が起こったのかまではミツル本人も知らないことだった。
ただ、うっすらと覚えているのは自分の上にまたがる筋肉隆々の女性らしき姿、そこから先はなぜだか思い出せない。
(覚えていないようね)
「何か顔についてるのか?」
「何も…」
声も体つきも女性より女らしいローラ、だが実は彼女男の子だったりする。
しかもあちらの性癖を持つ。
要するにあの晩は薬でもうろうになりながらロモコに貞操を奪われたのは確かだが。
同時にローラにも襲われ、初めてのコ〇門を貫かれたのだ。
だから股間の周りに血痕があったのだが、ミツルは股間とお尻の痛さがロモコに襲われたとしか認識していなかったりする。
「大好き」
「俺もだよ」
顔と体だけは女性のローラ、確かにこの状態でローラとHはしない方が良いだろう。
本来ならばすでに鑑定魔法を使って簡単に調べられるはずだが。
クズ勇者にはそのような魔法やスキル持ちはまだいなかった。
「もうすぐ到着する」
「ようやく到着かよ」
「だりーぜ」
「キャンプでまたNPCを味方につけなきゃ」
柚子に掛けられた魔法は既になくなって、元通りの体になってはいるが。
そのおかげで変な癖がついてしまったとは、自分は正常だと思っているクズな女子。
このゲームな世界では柚子が使ったような魔法を使えば性転換をできてしまったりする。
NPCを味方につけて楽にこの世界で生きていく。
そんな考えがうまくいくかは別として、彼らにもこの先に転機が訪れる。
それが良いことか悪いことかは最後になるまでわからない。
「とうちゃーく」
「全員下車しろ」
「私はマッケンロー司令官の元へ行く、帰ってくるまで待機」ロモコ
北の砦手前に張られたキャンプ、すでに100人以上の兵士が失われている。
だがこの場所には何度となく魔族が襲ってきているのだから、聖教国の首都へ攻め入る魔族を防ぐには、この場所に補給線が無ければ簡単にやられてしまう。
砦は最前線ではあるが、そこにこの人数を詰め込むわけにもいかないし、かと言って魔王国側に基地を作るわけにもいかない。
「ではこのまま勇者を連れて砦に向かうのが任務ですね」
「ああ、敵の攻撃は2日おきにやってきておる、我らの兵士は既に疲れ切っている、クズでも勇者を先に投入せねばこちらの被害の方が大きくなるからな」
「その後は?」
「危なくなれば勇者を残し撤退してもかまわん、特に魔族の将軍が出たらすぐにな」
「わかりました、それでは砦へと進軍します」ロモコ
結果として勇者候補は全員魔族の住む国へと進軍することになっているようだ。
勇者Cグループは全部で10人、女子は3人男子が7人。
今はLVも30近くまで上がり一応魔物との戦闘にも余裕が出てきたようだ。
だが勇者候補とはいえクズの多いこのグループ、ミツルでもまだましな方だと言って良い。




