LV100の洞窟クエスト
LV100の洞窟クエスト
命からがらとまではいかないが、突撃してきた魔牛の群れを回避し。
魔将軍が率いてきた兵隊を避けながら山脈沿いを自らの足で走るBチーム。
途中にあった林の中を突っきり、ようやく地図にあった洞窟へとたどり着く。
「はあはあ…」
「ここか?」
「皆 いるか?」
「何とかみんな無事にこられたみたい」
「少し休もう」
「あれって魔将軍の部隊だよな」
「ああ、魔牛は魔将軍の部隊から逃げていたみたいだな」
「結構な数だろ」
「もしかしたらあのまま聖教国へ攻め入るのかもな」
「どうするの?」
「どうもしない、俺たちは魔王国へ進軍している、いまさら戻って防衛戦に加わった所でもう遅い」
「それにクエストのこともあるし、洞窟攻略の方が先だろ」
「そういうことだ、一休みしたら攻略を始めるぞ」
「ああ」
勇者Bチームは数分休んでから洞窟の中へと入っていく、女子2名を真ん中に前後を男の剣士が守り注意しながら進んでいく。
【洞窟へ逃げ込めLV20:クエスト完了、スキルお宝サーチLV1獲得しました】
「簡単クエスト完了したぞ」
「サーチ」
「おお」
「地図スキルゲット!」
「マジか、俺の方には無かったぞ」
「そのうち手に入る、地図スキル持ちは洞窟の内部を探ってくれ、多分索敵と同時に使えば中の迷路も少しは楽にこなせるはずだ」
「おk」
洞窟の入り口はそれほど大きくはないが、人が立って歩けるぐらいの高さがあり。
中に入ると鍾乳洞のようにいくつかの柱が見えていた。
中は暗いはずなのだが、暗視スキルを持つ戦士が先導することで、思ったよりも早く奥へと進んでいく。
「もうすぐ敵が見えるぞ」
「皆、油断するな」
「おー」小さい声
慣れない洞窟の中を進む勇者たち、洞窟の中は思ったより広いようだが。
現れた魔物はなかなか厄介だった。
「でた!」
「キーキー」
「サーチ、こいつら吸血蝙蝠だ」
現れたのは30センチほどもある蝙蝠の群れ。
天井からこちらに向かって飛び掛かってくる、そして彼らは勇者たちの頭に向かって飛びつく。
「バサバサ」
「噛みついてくるぞ」
「キーキ―」
「こ こいつ」
「ホーリーブライト」
「ピカッ」
「今よ」
「この~」
「バシンバシン」
「ザシュ」
「ズシュ」
約500匹はいただろうか、癒術士の光魔法で蝙蝠たちを一瞬麻痺させ。
落ちてきた所を全員で叩き潰す、どうやら光魔法が弱点らしい。
だが数人が吸血蝙蝠に嚙みつかれ、バッドステータスが発生してしまう。
「何とか全部叩き落としたな」
「うっ…頭が…」
「どうした?」
「こいつらに噛まれた」
みるみる顔色が青ざめていく、バッドステータスはどうやら毒のようだ。
癒術士が回復魔法を使用してバッドステータスの解除を試みる。
「だめだわ、エスナもポイズンクリアも効かないみたい」
「くそ」
毒にやられたのは3人ほど、上級スキルを手に入れた勇者候補なら回復スキルや健康スキルなどで相殺されるが。
Cクラスの勇者は最初にそのような上級スキルを手に入れておらず、毒にやられるとかなりまずい状態に陥る。
「どうする?」
「癒術士に回復魔法をかけてもらいながら進もう」
毒にやられると秒間2ポイントから10ポイントのHPを失っていく。
現在のLVは50を超えているためHPは3千を超えており、2ポイントぐらいのドロップデバフならば1時間ぐらいならばなんとかなりそうだ。
「いけそうか」
「まだいける、回復するHPもあるから大丈夫だ」
「分かった先へ進もう」
途中で蝙蝠もいなくなり、今度はスライムが多く現れる。
通常のスライムより大きくHPもかなり多い。
「ブニュン」
「ズシャ!」
「1発では死なないな」
「だがポイントは稼げるぞ」
何発か攻撃を叩き込むとシュワシュワと溶けていくスライム。
洞窟の内部地図はどんどん踏破されていくが、曲がりくねった洞窟内の道を200メートルほど進んだところで扉のようなものが。
「こいつか」
「ああ ボス部屋っていうやつだ」
「まだいけるか?それとも3人はここで待つか?」
「いや死んでも構わない一緒にいないと善行LVが上げられないかもしれない」
「確かにそうだな、だが無理はするな」
その扉の先にはクエストでも表示されていたはずのLV100を超えるボスキャラが待っているのだろう。
善行LVを30もプレゼントしてくれるのだ、簡単なクエストであるわけがない。
意を決して9人は扉を開けていく




