魔都の攻略
魔都の攻略
Bグループより半日先へ先行しているノブユキ率いるAグループ。
彼らはいつの間にか魔王の居城がある魔都へと侵入していた。
「変身魔法の有効期限は丸一日だ、正確には各LVに比例するけどそう考えておいた方が無難だ」
「じゃあ、切れたらどうすんの?」
「だから魔法士と戦士は常にペアで行動しよう」
「じゃああたしはノブ君と」
「えーずるーい」
確かにそうなるよね、だが信之は全員で魔王を駆除しようとは思っていない。
すでに合計LVが300を超えた信之、柚子もすでに職種LVの合計が200を超え、3つ目の職業を入手する事に成功した。
「ねえノブユキくん」
「どうした?」
「この呪術士ってやつが3つ目という形なのかな?」
「あ、やったじゃん」
「ヤッパリそうなんだ、なんかショック」
「なんで?」
「呪術士だよ、なんか魔術士より怖くない?」
「でもそれってクズ男子を何回も成敗してたからってことなんじゃ…」
「そ そうなんだ、まあ仕方ないのかな~」
「どうせ続けていればまた違う職業手に入るでしょ」
「確かに」
「これでばんばんLV上がるでしょ」
全員のLV、NPCを除いてだが、ほぼ70以上になって、しかも半数が二次職まで手に入れていた。
まあその二次職は戦闘とはあまり関係なかったりするのだが。
「それじゃ今夜は皆この宿に宿泊していてくれ、俺と柚子で魔王を退治してくるから」
魔王討伐は全員でという指令ではない、クエストの内容も魔王を討伐すれば帰還できるというもの、条件や注意事項など何の縛りも無かった。
それに全員がここまでですでに100近いクエストをこなしており。
Aグループ全員が一緒に帰れなくとも善行LVが60近くもあれば死に戻ることもないだろう。
だから最後のクエストは俺と柚子の2人でこなすことにした。
「くれぐれも騒ぎは起こさないように」
「私もついていかなくてよいのか?」ユーリア
教国の騎士がついていかなくても良いのか悪いのか?そこはゲームの世界であり。
クエストがそのようになっていた場合。教国の騎士を伴わないと成功しないとか出るのだろう。
【魔王を討伐せよ*成功報酬、各パラメーターの大幅アップ、クエスト100回成功と同等、報酬は勇者候補全員(別ルートの召喚者を除く)善行LVはその時点で清算】
要するに誰でもいいから魔王を倒せば勇者候補が全員現世へと帰ることができるというもの。
そこには他に余計な条件などは無く、なんなら一人で倒してしまってもいいくらいなのだ。
「いや2人で大丈夫だ、もし罠があると面倒だからね」
魔族に変装しても顔自体のつくりはそれほど変化はない、そして各種のスキルも同様に効いている。
「ご主人様、ご武勇をお祈りいたします」フェシル
「大丈夫にゃ主なら無事達成できるのにゃ」クロ
「ぜったいやっつけて、またかわいがってくださいね」アンナ
全員から激励を受けて俺と柚子は夜の魔都へと出発する。
魔族の町は夜の方が活気があり、まるで不夜城のように見える。




