偵察はしたが…
偵察はしたが…
約3時間ほど敵陣の偵察に出ていたノブユキ、変身魔法を解いてみんながいる陣地へと帰還する。
ちょうど夕飯時に重なり結界の中ではいい匂いが漂っていた。
「ただいま」
「おかえりなさーい」
「すごく良い香りがするのだが?」
「そうでしょ、さっき柚子ちゃんが近くで捕まえてきた魔牛を調理しているところ」
「ジュー」
それは魔牛のステーキ、調味料は塩コショウそして醤油迄ある。
「その調味料は!」
「ああ 前に手に入れたやつよ」
前回の召喚で手に入れておいたのだろう、この世界には現世と同じものがいくつかある。
当然のことながら手に入れるにはある程度の経験が必要、冒険を進める過程で商人から手に入れることは可能だ。
「さあできたわ」
テーブルの上にはいくつもの皿が並び、沢山の食料が並べられている。
スープもサラダも、柚子がストレージから出した物だろう。
「いただきまーす」
「いただきます」
「神に感謝します ナームー」
17人がテーブルに付きそれぞれが皿の上に食料を盛って、にぎやかな食事が始まった。
「町の偵察はどうでした?」
「あの町の名はフォブスと言うらしい、魔族軍の詰所はあったが、将軍クラスの魔族どころか指揮官クラスの魔族さえ見当たらなかったぞ」
「それじゃどうするの」
「あの町は迂回して次の町へ向かう」
「どうやって?」
「全員変身魔法で魔族に化けるのが一番楽な方法だと思う」
「それが一番楽かもね」柚子
馬車や馬にも変身魔法をかけて粉飾すれば特に問題は無いはずだ。
できれば性別も魔法で変換しておくといいかもしれない、そうすればちょっかいをかけてくる魔族が減る可能性がある。
性別変換魔法はデメリットもあるので、女魔族と勘違いされて近寄られても受け入れるしかない、もしかしたら皆にとっては良い経験になるかも。
「それじゃ明日は全員魔族に変身ね」
「君は楽しそうだな」
「え?別に楽しくなんてないよ」美佳
(別に楽しんでもいいじゃんよ)
この世界に召喚された原因を作った女子、美佳は一応最年少でありまだ高校生だったりする。
罪悪感より好奇心が勝っているのか、少なからずこの状況を楽しむような言動がある。
確かに暗く落ち込んで過ごしてほしいとは思わないが、後で少し説教しないといけないのではないだろうか。
「ご馳走様」
「あーお腹いっぱい」
「じゃあ俺はこれで」
「どこ行くの?」
「風呂だよ」
ログハウスにはまだ風呂が無いのだが、柚子が所有する屋敷には3人が一緒に入ってもあふれることがない浴槽を備えた風呂が設置されている。
昨日は遠慮して入るところまでいかなかったが、女子は全員毎日風呂に入っているようだ。
いつの間にかNPC迄その生活を満喫している、この世界は風呂へ入らなくても生活魔法で汚れや汗は簡単に除去できる。
もちろん下の処理も同じ魔法で完全完璧に違和感なく清潔を保つことが可能だ。
だが、習慣というのはいくら魔法でなんでもできたとして、どうしても我慢ができない場合がある。
「カポーン」
(なんで鹿威しまであるんだよ)
衣服をストレージへと収納しタオルを肩にかけ湯気の中へと体を沈めていく。
《ご主人体洗ってあげるにゃ》
「ポンッ」
そういうとクロが黒猫から獣人へと変身する。
別に洗う必要などは無いのだが、風呂の手前には鏡もシャワーも常備されており。
桶や椅子迄設置されているのだから使わないという選択肢はないだろう。
本当に日本人はこういった場所が大好きなのだ、まあここの風呂は柚子の趣味なのだが。
俺でも同じような風呂を作るかもしれない、しかも石鹸やシャンプー迄常備しているとは。
「これでいいかにゃ」
「うん気持ちいよ」
「バタン」
「あたしも一緒に入っていい?」
「え?」
それは明奈だった、あわてて前を隠すノブユキ。
だがさらに風呂に入ってくる人物が増えてくる。
「私も良い?」柚子
そういえば魔牛狩りに出ていたのは彼女らだった。




