ミツルに苦難が
ミツルに苦難が
ノブユキと柚子それにLV20を超えた勇者候補達だが、王都に残ったLV10ちょっとの勇者たちはというと。
現在ダンジョン攻略のハシゴをしてLVアップを目指していたりする。
「マジかよ!」
「ねえねえ、あんたさ」
「なんだよ」
「今夜どうだい?」
近寄ってきたのは中年まではいってなさそうなガタイの良いお姉さんNPC。
一応このNPCは魔術戦士だが、ミツルから見るとギリストライクゾーンから外れるらしい。
彼はストライクゾーンの幅自体は広いのだが、外見の一部に絶対許すことができないタイプがあるらしい。
それは身長と肩幅、このNPCは彼より身長が5センチ高くガタイが良すぎるのだ。
まあ兵士なのだからNPCとは言えども、そこそこ訓練して戦いに慣れているのは当たり前だ。
それにしても魔法戦士でこの肉体はミツルの眼中には入らなかった。
だがミツルが他のNPC女子に声をかけても、ことごとくフラれてしまうのは何故なのだろう。
そこには何か理由があるらしい、あれから1週間が経ってもこの世界でHな経験はしていないミツル。
(ふざけんなよ、なんで俺がフラれんだよ!)
本日のダンジョン攻略はダンジョン内でのパワーレベリングだと聞いている。
初級ダンジョンの地下5階にあるコボルトが無限に沸くフロアがある。
そこの奥にある台座に肉を置いておくと、このフロアにいるコボルトが全部集まってくるらしい。
1体がリポップするのは30秒かかるのだが、100個所から沸く魔物を集めることができるのならば、おびき寄せることで無限に魔物を倒すことが可能となる。
「そんで、返事は~」
「勘弁してくださいよ」
「そうかい、もうお友達はあたしの虜になったのにね~」
確かにNPCの女子を従者にできるとは言われた、だがNPC側にも選択する権利があるとは思わなかった。
ノブユキのように何か手柄を立てたのならば上の命令で従者を付けてもらえるのだが。
手柄もない場合なかなか従者を手に入れるのも難しいようだ。
そんな中クズ勇者のグループに一つの明かりが見えてきた、このガタイの良いお姉さまと一夜をともにすればNPCの女子を紹介してもらえるらしい。
要するにこのお姉さまが仲間のNPC女子をまとめる役割を担っているということだ。
そしてその立場を利用して男を見定める役を買って出ているという。
「うるせーよ、誰がロボコみたいなやつと…」
「ロモコさん、そろそろ次来ますよ」
「まあいつでも相手してやるから、考えておきなね」ロモコ
まるでアマゾネスのような魔法戦士、彼女は戦士のLVも50を超えている。
そして今回、落第勇者たちの引率も兼ねていたりする。
「来たよ、全員戦闘開始」
「くそー」
「バシュン」
「ドシュン」
「ガーガオ」
「ギャン」
人と同じかやや小さい犬の頭をした二足歩行の魔物。
全体に毛が生えていて、ダンジョン以外では集団で襲ってくるが、ここでは自然に沸いてくることを利用して100匹倒した後は30秒のインターバルというわけだ。
ちなみにLV25までならコボルト10匹でLVが一つ上がる、すでに10人の勇者が100匹以上やっつけた。
今のミツルのLVは23まで上がっているので、そろそろ別のダンジョンに移動してさらにポイントを稼げるスポットへと移動するはず、それまでにミツルはHを経験できるのだろうか。




