倉庫に入ってみた
「えっ・・・なんで開いてんの?」
開くはずのない扉が簡単にユウナが開けてしまったのだ。
「いや~昨日ね、鍵穴を適当にガチャガチャやったら開いちゃったんだよね」
ユウナは頭をポリポリ搔きながら苦笑いしていた。
「適当にって・・・そんなんで開けちゃったのか・・・あと、入るとは言ってないから。覗くくらいならいいといっただけだから」
「まあまあ、そんなこと言わず入ってみようよ!ぼくもまだ入ってないんだよね!」
さっきからずっと掴んでいる腕を引っ張ってくる。正直ちょっと気になってるから、入ってもいいと思う自分がいる。
「ちょっとだけだよ・・・」
「そうこなくっちゃ!」
俺の腕を離し、ユウナは嬉しそうに入っていく。誰にも見られていないことを確認し、倉庫に入るが真っ暗だった。ユウナが持っていた大きめなバッグから懐中電灯を二個取り出した。
「はい!これ君の分ね!」
「ありがと。準備いいね・・・」
「まあね!もっと褒めてくれて構わないよ!まだ色々準備してるから、期待しといて!」
ユウナはすごいドヤ顔でドライバーやライターを取り出した。
「それは必要なのか?」
「何があってもいいように準備するのに越したことはないからね!ちなみにまだまだあるよ!」
バッグの中身を見せてきた。ティッシュとかタオルは分かるが、漫画があるのが気になるがわざわざ聞くのは面倒くさかったので反応しないことにしたが・・・
「漫画はね、暇な時に読もうかなって!」
聞いてもないのに答えてきた。しかも理由が悠長すぎる・・・
「ヘー、ソレハ、イイネ」
「せっかくボケたのに、辛辣だな~」
「・・・帰っていい?」
この人は悪いことしてる自覚あるのか?
「ごめんて~、もうふざけないから探索してみようよ~!それにここまで来て帰るの~?」
「・・・次ふざけたらすぐ帰るから」
確かにここまで来て探索せず帰るのは気になるので一度だけ許すことにした。
ユウナから貰った懐中電灯で辺りを見渡すと50×40×30cmくらいの段ボールと20×20×20cmくらいの木箱が置かれていた。段ボールの中にはファイルが入っていた。英語と数字で書かれた紙が綴られていた。綴数字の方は日付っぽい羅列になっていて、その後ろに英語が書かれている。十五枚の紙がパンパンになるほどの文字が書かれている。日付は一年前や五年前、一週間後や一ヵ月後と他にも日付がバラバラだった。
「どんな意味だろ?」
考えて分からなそうだったので元に戻した。後は木箱の中身だ。蓋も無いし開け方が分からない。
すると、ユウナが俺から木箱を取り上げて片手で振りだした。
「おいおい、そんな乱暴に扱うなよ・・・」
「大丈夫だって!中身が何か気にな・・・あっ・・・」
勢い余ったのか、木箱が吹っ飛んで壁にぶつかり、ばきっという音がして木箱が割れてしまった。中には鍵穴が付いた黒い箱が入っていた。