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銀髪少女がやってきた

 血まみれの女性が倒れていた。


「君はここで死んではだめだ」


 今にも意識がなくなりそうな声で女性がそうでそう言い残し、瞼を閉じた。助けようにも体は動くことは無かった。

そこで目が覚めた。目から涙が流れていた。

 最近同じ夢を見ることがある。疲れているのだろうか・・・そんなことを思いながら涙を拭いて学校に行く準備をした。


 ~学校~


「転校生を紹介する。入ってこい」


 ガラガラと音を立てて入ってきたのは、銀髪で肩に付くくらいの長さの少女だった。


「東谷東谷(ひがしたに)ユウナです。よろしくお願いいたします」


 先生の横に立ち、無表情のまま自己紹介を始める。


「それじゃ、席は空いてる席に座ってくれ」


 と言われ、迷うことなく空いてる席に座った。


「西川、放課後にでも学校の案内をしてやってくれ」


「よろしくお願いします」


 ユウナは隣の席の俺に挨拶をした。


「西川冬弥です。よろしく」


 簡潔な挨拶を交わし,案内する事になった。



 ~放課後~


「じゃあ東谷さん、 学校の案内するよ」


「よろしくね!」


 学校中の案内をし、最後に立入禁止と書いた看板が刺さっている後ろに倉庫がある所の説明をした


「書いてある通りあそこには入らないでね。危険なものが沢山あるらしいから」


「分かったよ!でも危険なものが学校に在っていいものなのかな?」


 朝とは違い笑顔で明るい声で楽しそうに話しかけてくる。正直今日会ったとは思えないほどの距離感だ。

 これが陽キャというやつなのか・・・つられてタメ語になってしまう・・・


「今度、入ってみようよ!」


 いたずら声でそう問いかけてきた。


「嫌だよ、ばれたら面倒くさそうだし、そもそも鍵をがかかってるし」


「ふーん、鍵が開いててばれなかったらいいみたいだね!」


 この人は怖さ知らずなのか、結構やばい人なんじゃないか。


「まあ、気にはなるけどリスクを負ってまで知りたくはないかな」


「無理強いはしないよ。まあ、鍵が開いたら行ってみようよ!」


 満面の笑みでそう言ってくる。正直惚れそうになってもおかしくないがそんな気持ちは全く沸かない。


「そんなことはないと思うけど開いてたら覗くくらいならいいよ」


 適当な返事をしてしまった。


「言ったね!約束だからね!」


「・・・う、うん、いいよ・・・」


 冗談のつもりで言ったけど、この目は本気の目だった。素っ頓狂な声を出してしまった・・・鍵が開かないこと祈るしかなかった。


「じゃあ、大体の場所は案内したし、そろそろ帰ろうか」


「ありがと!じゃ、また明日!」


 手を大きく振りながら走って帰っていった。かなり落ち着きがない人なのか?俺も帰ることにした。

 家に帰ると「ただいま」と言っても「おかえり」と帰ってくることは無かった。俺に両親はいない。

 母は一歳のときに父は生まれてくる前に亡くなった。母が亡くなってからは祖父母に世話になった。

 今は別々に住んでいる。小さい頃は寂しかった気がするがもう慣れていた。


 ~次の日~


 今日も昨日と似たような夢を見た気がする。はっきりと覚えているわけじゃなかったからそう感じただけだ。今日も学校だから行く準備をして学校に向かった。


「おはようございます・・・」


 声が聞こえたほうを振り向いてみると、東谷ユウナの姿があった。昨日とは別人というか昨日の朝と同じ感じだった。朝はテンション低いのか?


「ああ、おはよう・・・」


 挨拶はしたが別人みたいで調子が狂う。それから何も話すことなく放課後になった。



「やあ、朝は素気なくて悪かったね!」


 帰ろうと席を立つとユウナが話しかけてきた。朝とは違い学校を案内したときと同じ感じだった。


「いや、だいじょう・・」


「ところでさ、明日の放課後はひま?!」


 返事を遮って質問してきた。


「空いてるけど」


「よかった!じゃあ明日ぼくと付き合ってよ!」


「いいけど・・・」


「ありがと!」


 そう言いと彼女はすぐに帰ってしまった。なんか嫌な予感がする。


 ~次の日の放課後~


「約束通り、ぼくに付き合ってよ」


「分かったよ」


 そう言って付いて行ったら例の倉庫に着いた。彼女が扉の前に立つと扉を開けた・・・


「君、言ったよね!鍵が開いてたら入ってあげるって!」


 彼女は満面の笑みで、俺の腕を掴んだ。

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