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本当にいいのかなぁ。
不安を抱えつつ、僕は英雄が率いるパーティへ参加した。
ルートさんから紹介されるなり、あのツインテールさんが僕を指さして、
「あー!この前の!!」
「ど、どうも。
よろしくお願いします」
「いやいや、こっちこそリーダーが迷惑かけちゃったみたいでごめんね。
唐揚げもありがとうね」
ツインテールさんはそう言った後、改めて自己紹介してくれた。
「私、マリー!
よろしくね」
続いて、ゴツイ戦士職らしき男性が名乗った。
「おお、昨日の唐揚げくれたパーティの子か。
美味かったぞ!
俺は、ゴードン。
で、こっちの優男が」
ゴードンさんが、隣に立つ黒ローブの男性を示す。
優男、と言われたのは、ヒョロい青年だった。
「ど、どどど、どう、も。
ら、ラネイ、です。
よ、ろし、く」
ラネイさんは、ビクビクと怯えながら名乗った。
僕、何かしただろうか?
視線すら合わせてもらえない。
それどころかさらに目深にローブのフードをぐいっと、引っ張った。
こんなに怯えられる覚えがない。
戸惑っていると、マリーさんが耳打ちしてくれた。
「ラネイって、極度の人見知りなの。
別に貴方のことを嫌ってるとかじゃないから、気にしないで」
「は、はぁ、わかりました」
僕が原因でないのなら別にいいけど。
それより、ルートさんは彼らに僕のギフトについて伝えたんだろうか。
どうも、こんなにフレンドリーに接してもらえてる所を見るに、たぶん何も言ってなさそうな気がする。
「しかし、軽装だな。
もしかして、【盗賊】のギフトホルダーか?」
ゴードンさんが僕を見ながらそう言った。
どう答えたものか。
僕が思考を巡らせようとした時、ルートさんが口を開いた。
「いやいや、彼は【料理人】のギフトホルダーだよ」
え?
僕は、ルートさんを見た。
彼はウィンクしてみせた。
どうやら、そういう方向で話を通すらしい。
「あー、なるほど」
「あの唐揚げの美味さはそういうことか」
マリーさんとゴードンさんが、納得する。
ラネイさんは、目深にしたフードのしたから僕を見て、
「???」
何故か首を傾げて、それからルートさんを見た。
ルートさんは苦笑しただけだ。
「……ち、ちょっと、いい??」
ラネイさんは、どもりながら僕の腕を掴むとほかの三人から離れる。
そして、やはりどもりながら聞いてきた。
「き、きみ、あ……の、【無能】持ち、だよ、ね??」
「!!」
なんでわかったんだ、この人!?
「あ、あ、こわがら、ないで、いい、よ?
あ、ちが、こわがって、るのは、僕だけ、ど」
「…………」
「ぼ、ぼく、【神眼】のギフトホルダー、で。
それで、いちおう、ルーちゃん、じゃなかった、リーダーに仇なす人、かどうか、チェック、してるんだ」
「…………」
「あ、あ、あ、逃げようと、しないで!
ごめんね?
でも、ルーちゃんは人がいいか、ら。
それでたくさん、裏切られたり、利用されたり、してきてね。
だから、僕が、そういう人を、せんべつ、するようになった、んだけど。
えと、それで、ね?
何が言いたいのかって、いうとね??
きみのこと、ほんとのギフトのこと、あの二人には、言わない方がいいんだよ、ね??」
「そうして頂けたら、助かります」
「うん、わかった、よ。
……でも、きみ、そんなに沢山スキルを、かかえて、だいじょぶなの??」
「はい?」
「……からだに、負担が、かかり過ぎてる。
君を教えてる人、なにも言って、ない、の??」
なにも、聞いていない。
もしかして、リーゼも知らないことなのかな??
「きみ、まだ体が、出来上がって、ない、から。
あれこれ、スキル、使いすぎると、寿命、ちぢめるよ。
きをつけて、ね?」
ここまで、この人の話を聞いて確信した。
この人、めちゃくちゃいい人だ!!




