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おっさんの徒然エッセイ

いじめられる側にも問題がある この考え方に潜む大問題について

問題の性質ゆえに過激な書き口になっていますが、読者の方を責めるものではなく、こういった考えは危険だという主張です。


性犯罪に関してはセカンドレイプを理由に裁判を起こせない、起こしたけれど、公判中に取り下げたなどがあります。

私は性犯罪の公判は出来る限り被害者側の性別の方で判事や検事、弁護士を揃えて、原則非公開で行うべきだと思っています。

もちろん、公判は原則公開である理由もわかりますが、性犯罪被害者が晒し者にならないために、公開情報を制限している現状の取り組みを進めて行くべきだと思っています。

前書きで話が脱線して申し訳ありません。




 今日は真面目に書いていこうと思います。

 なろうとTwitter双方で相互フォローしているユーザーさんが、Twitter上で「いじめられる側にも問題があるというのは理解し難い」との趣旨で呟いておられて、全くその通りであると、筆を執った次第です。


 まず、前提として、例えば生意気だとか、暗いとか、自己主張が下手、または過剰だとか、そういった理由と言えば、理由と言えなくもないかも知れない原因のいじめもあるでしょうが、実際には何の理由もなく、ただそこにいたからといじめられる。または家庭の事情や容姿や成績などで差別的な理由でいじめられる。同じく容姿や成績で嫉妬からいじめられることもあるでしょう。これをいじめられる側にも責任があると言うなら、貴方は「お前、今、右向いたな、気に入らんから殴らせろ」という理不尽を「ちゃんと理由があるから仕方ないね」と受け入れなければいけなくなります。


 まあ、実際にいじめられる側に問題があったとしても、だからいじめられても仕方ないと言うのは、とても深刻な問題を孕んでることを理解していないことになります。

 以下に私の考える深刻な問題について書いて行きます。

 いじめられる側にも責任や問題がある、この発言は裏を返して反語的に考えるならば、だからいじめられても仕方ないととれますよね。

 まさか、上記の発言から、それでもいじめた奴が絶対に悪いに繋げるとは考えにくい、そんなことを言いたいとは取れないし、もし、そう思っているならば、実際にそう発言を繋げる必要がありますね。

 さて、最近、こう言った発言に近いものがあると思いませんか。

 「侵攻されたウクライナにも問題があった」

 一部の人が発言し、炎上していますよね。

 もちろん、こうした発言をした人の中には

 「それでも攻めたロシアが悪い」

 と繋げている人もいますが、それでも炎上しています。

 いじめられる側に問題があるという発言は、全く同じではありませんか。加害者側の行動は容認できるものではなく、その行為自体が「不法」行為です。

 ならば、どんな理由があろうと、容認などできないと考えるのが、当たり前ですよね。

 

 少しばかり、喩えを身近なものに変えてみましょう。

 貴方の前に財布が落ちていました。

 財布を落とした方は「財布を落とした」という明確な「瑕疵(落ち度)」があります。

 しかし、「落とした奴が悪い、猫ババされても文句なんか言えないよ」なんて発言することが多くの方に共感され、容認されるでしょうか。

 決してされないと思いますし、そんな発言をすれば炎上しますよね。なぜでしょうか。

 それは猫ババが明確な「拾得物横領」という犯罪だからです。罪名を知らなくとも、それが犯罪であり、拾ったならば交番などに届け出なければならないと小学生でも知っているからですね。

 もう一つ喩えを、貴方の前にひどくノロノロ運転の車が走っています。急いでいる貴方は「いくら道交法違反でも、こんな車を煽るのは当たり前だろ」と思ったとしましょう。それで、実際に煽るかどうかは貴方の尊法意識や倫理感などの問題ですよね。ノロノロ運転の車がいたら、イライラするかも知れないけれど、だからといって、ドライバーすべてが煽り運転するわけではないはずです。

 それなのに煽り運転をしたドライバーが「ノロノロ運転してる奴なんて、みんな煽るに決まってる」なんて言ったら不愉快ではありませんか。

 ルールや人道的な観点から守るべきマナーを、個人の感情で破ることにたいして、「相応の理由があるなら仕方ない」と考えるのは危険です。多くの人は「相応の理由」があっても「犯罪を犯さない」のが当たり前です。

 こうした「やられる側に問題がある」とするものは、いじめ、ハラスメント、性犯罪、などで使われます。

 つまるところ、被害者の側になることより、加害者になることを想定しているのでしょう。

 だからこそ、加害者側の視点から発言していると思えてしまう。

 女性が扇情的なファッションで夜の街を歩いていたら、性犯罪の被害者になっても仕方ないなんて、今の時代なら大問題な発言ですが、本当にほんの少し前の日本では、こうした発言が実際にあったし、法廷でも、加害者側の減刑のために被告側が被害者にたいして、当日の服装などを証人尋問で問い詰めるなんてこともあったんです。

 

 いじめられる側にも責任がある。

 そんな発言をする人には


 「もし、君がその増長した発言で炎上し、『こんな非人道的なことを言うやつは吊し上げても問題ない』なんて晒し上げにあっても、同じことが言えますか」


 そう、聞いてあげて下さい。

 その時、「俺の発言はみんな思ってることだろ」

 そう答えるなら、


 「なら、みんなが君を嫌いで、殺しても構わないと思ったら、君を殺しても問題ない訳だ。みんなが思ったことなら、法律や倫理に外れても問題ないんだろ」

 

 そう諭してみましょう。

 



ご意見お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです。 こんなカンジで『イジメ』がもっとカジュアルに話される時代が来ると良いですね。 [一言] 法律や倫理に外れても問題ない、んです。 それは、ただ単純に、集団の浄化作用なんですから…
2022/04/08 21:03 退会済み
管理
[良い点] 自分が加害者になるかもと言う意識は、実はあまり自覚してないんですよね。 犯罪を犯した人のほとんどが自分は悪くないと思っていると聞いたことがあります。
[気になる点] >いじめられる側にも問題がある これ、イジメと同じ問題として混ぜるからややこしいことになっていると思うんですよ。 個人的には別件として双方の問題をそれぞれ対処すべきと考えます。 大…
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