処刑デモ。その3
今回はグロシーンなかった気がします。
桜 side…
なぜか、その様子を昔、一度見たことある気がするのだ。
何だったのか、思い出そうとしても靄がかかって思い出せなくなる。
空「はいっ!おーわり!」
その言葉が聞こえた瞬間、皆腰が抜けたみたいでへたり込んでしまった。
同時に部屋から都忘さんが出てきた。
空「皆大丈夫ー?」
虎「どこ…っが……大丈夫そう……っに見える………んだよ……」
蕗「はあっ…はあっ……」
怖い。そう思ったのはここに来て何度目だろうか。
ここに来る前では、そんな事ほとんど思わなかった。
空「じゃ、次。」
空「次は…炙ろうかな?」
炙る。つまり『火刑』のことだと思う。
こうやって冷静に考えられるなんて、私は少し狂ってしまったのかな…
空「サクッとするか…」
そう言うと、どこからか持ってきた火炎放射器を付け、その先を……
都忘さんめがけ、炎を放った。
都忘さんから匂う、人の焼ける匂い。だんだんと皮膚が焼けていき、色が変わっていく。
もう、皆も耐性がついたのか普通に見ている。
しばらくすると、都忘さんは崩れ落ちた。
空「くさっ…後でお風呂入らないと……」
空「んじゃー現時点でのラスト!いっくよ〜?」
立ちすくむ私の横を、元通りになった都忘さんが通り過ぎていく。
都忘さんは……
私を見て、悲しそうな目を向けてきた。
そして、口パクで何かを伝えてきた。
桜「えっ……?」
もう一度、確認のために見たのだが、やはり何も写さない瞳になっていた。
…気のせい……なの…?
空「最後は、一番苦しむことのない方法、『ガス室刑』だよ。」
空「都忘。」
…
空「入りなさい」
ゆっくりと、深く頷く。
一番シンプルで、所々穴が空いている部屋に都忘さんは入った。
空「あまり乗り気じゃないのだけれど………処刑スタート。」
部屋の中に、何かガスが充満していく。
その感覚がどんなものなのか分からないけれど、きっと、ゆっくりと死んでいく感じ。
私は、それを願いたい。
数分後、都忘さんは崩れ落ち、そのまま動かなくなった。
空「これで、一通り終わったかな。」
やっと、処刑が終わった。
すると都忘さんが起き上がり、空木さんの所に歩いていく。
空「それじゃあお待ちかね、役職紹介と確認をしよっか!」
「ねえ、少しずつ呪いが本格的になるよ。」
ーーーーーーーーーそんな声が、聞こえた気がした。
処刑シーンは今回で終了です。
桜ちゃんが昔みたあの光景はどこで見たのか。都忘さんが桜ちゃんに伝えたこととは一体何だったのか。『ガス室刑』でなぜか丁寧な口調になった空木ちゃんは何を思っていたのか。
そう言ったことを考えて見ると面白いかもしれません。