三日目 終了
それは人のカタチをしていた。
肥大化した左腕はいくつもの金属片が刺さっている、右腕は水中銃に触手が絡み付いたような見た目をしていた。
その身体にもまた無数の金属片が刺さっており、見に着けている防弾ベストからいくつも飛び出していた。
その顔は右目が特徴的だった、人の目には見えない程に黄色く濁っていたのだ。
「逃げるぞ」
ベックが二人に言う。
ジョニーとアルバートはそれを聞き、少しずつ後退りする。
そして三人は操舵室に向かって走り出した。
三人は怪物から逃げ、操舵室に駆け込み、操舵室の金属扉を閉じた。
「どうしたんですか?」
アリスが問いかける。
「説明は後だ、全員じっとしてろ」
ベック達三人からただならぬ様子を感じ、全員動きを止める。
暫くして、部屋の外から何かを引きずる音が聞こえて来る。
外に何かが居るという恐怖から、いっそう緊張が高まる。
音が遠ざかっても緊張がとける事はなく、なるべく音を立てないように行動する。
「何があったんですか?」
アリスが問いかける。
「ナギサが死んだ、目の前で喰われた」
ベックが答える。
「そうですか」
アリスは少しつらそうにそう言った。
それから、余計な会話をしないようにしながら、操舵室内に立て籠りつつ、何とか脱出の手段を探る事になり。
食料等生活必需品を護衛組が調達して、三日目は終了した。